□カシオペア・ドルチェ(3)
■高木信孝さま
○イラスト評価:★★★☆☆(3.0)
○内容評価:★★★★☆(4.0)
○百合度評価:★★★★★(4.5)
○総合評価:★★★★☆(3.8)
こちらは先日『百合姫』などとともに購入をいたしましたもので、過去に既刊を読んでおりますことから購入をいたしましたものとなります。
コミックスといたしましてはおなじみとなっております百合姫コミックスとなります。
こちらの作者さまは以前新装版を読みました『PUREまりおねーしょん』やアニメにもなりました『ココロ図書館』などを描かれたかたとなっております。
内容としましては、ドールハウス「カシオペア」にて修行をすることになった見習い(ドルチェ)のアンナさんと、そのドールハウスにいらっしゃるかたがたのお話となります。
と、やはり説明が以前読みました第2巻の感想と同じとなってしまいましたので、登場人物の紹介などは省略をいたします。
その第2巻ではアンナさんがはじめて作ったドールがしゃべった、というところで終わっておりましたけれども、この巻ではもちろんそのしゃべるドールのお話から…その子はハイジことアーデルハイドというお名前なのでございますけれども、アンナさんの想いが強すぎたあまり生命が宿られたみたいでございます。
そのハイジさんは基本的にとてもとてもいい子でございまして、もちろん生みの親でございますアンナさんのことをとてもとても大切に想っておられます…想っていらっしゃるからこそ、アンナさんが想いを寄せていらっしゃるエルザさんとの関係についてやきもきされてしまわれ、何とかお力になろうと思うわけでございますけれども…。
この巻ではそのメインのお二人、アンナさんとエルザさんの関係の顛末や、それにオルガさんとソニアさんなど、周囲の皆さんの関係がそれぞれに一歩前進…つまり百合々々な関係に至るご様子を主に描いていらっしゃいます。
第2巻の感想でエルザさんは本当に鈍感なだけなのか…という疑問を書いておりましたけれども、結論から言いますとそういうわけではなくって、エルザさんのほうには彼女なりに複雑なご事情があったわけでございます。
でもそれもアンナさんがハイジさんを作ってしまわれたことで一応の解決をなされ、最終的にはお互い一目惚れでございましたことも解って、めでたしめでたし…アンナさんもドールマスターとしてデビューを果たし、皆さんで一緒にお店をやっていくということで無事にハッピーエンドでございました。
巻末にはその後の、恋人となられたお二人のお話も少し収録されておりましたけれども、ともあれこの作品はこの巻で最終巻でございました。
…また、カバー下にはちょっとした4コマも収録されております。
イラストのほうは悪くありません。
百合的には帯に「女の子が女の子を好きになる、それが当たり前の世界になりつつあります。」なんて書いてあります様に、登場するほぼ全ての皆さんが最終的にはその様な関係になられましたし、ずいぶんあるかと思います。
ともあれ、こちらの作品はドールという面でもなかなか面白く、作者さまが作者さまでございますのでその服装もよろしい感じと、そういう面でも楽しめるものでございました…動くドールのハイジさんは本当によい子でございましたし。
また、こちらの作品は『百合姫S』で連載されていたのでございますけれども、その掲載誌が廃刊となった際にオンライン連載に移行しておりまして私は続きを雑誌のかたちで読む機会がなかったのでございますけれども、こうして無事ハッピーエンドを迎えられましてよろしゅうございました。
…同じくいつの間にか姿を消してしまった連載作品なあれやそれやこれも、オンラインのほうへ移行しているのでございましょうか…(けれど、あれやあれやあれは『百合姫S』廃刊以前から姿を消しており…)
とってもご迷惑をおかけしてしまいましたあのかたにお勧めをしていただけました『スズノネセブン!』のほうは昨日もゆっくり進行…仁乃さんに告白をし、晴れて恋人同士となったところからでございます。
でも、このお二人というのがまたずいぶんと初々しくて、微笑ましい…その微笑ましいやり取りが恋人になったことでなくなったらさみしいかな、と感じておりましたので一安心でございます。
それはともかく、魔導ドライブの制御実験についに仁乃さんが参加されるわけでございますけれども、明らかに途中で何か恐怖に襲われてしまわれ魔力を暴走させてしまわれました…。
さらに翌日、前日主人公である真田…ではないものの幸村さんとキスをしたことが恥ずかしいからって一人でいらした仁乃さん、道に飛び出してトラックに轢かれそうになった猫さんを暴走しつつもでも生物のみは誰も傷つけずに制御できていた魔法でたすけて差し上げられたのですけれど、その魔法を発動したのが学外でしたために二日間の停学処分を受けることになってしまわれました…。
それを知った母親の菜乃さんがもう学校をやめてこちらへきなさい、という電話をかけてまいりましたけれども、仁乃さんはそれを拒絶し、お二人は絶交状態となってしまわれました。
その菜乃さんのお電話、猫さんをたすけようとして事故にあったのはスズノネにいたせいだなんて極論過ぎることを言われたり、それに絶交のくだりがあまりに子供の喧嘩ではございましたけれども、後の展開を考えますと、菜乃さんがそこまで向きになって仁乃さんを魔導ドライブのプロジェクトなどから引き離そうとされたのか、そのお気持ちはよく解ります…。
その事故がきっかけで仁乃さんは過去のトラウマとなっている悪夢を繰り返し見続けてしまわれますけれども、そこは幸村さんが(停学中ですが特別に)一緒にいてあげて何とか収まってくださいました。
そして、過去に何があったのか、それに魔力暴走の原因も仁乃さんは思い出したのでございますけれども、やはり過去に菜乃さんたちが関わっていた魔導ドライブプロジェクトの事故に巻き込まれてしまわれ、それで…ということだったのでございます。
そうなりますと、菜乃さんが仁乃さんをあそこまで向きになって止めるお気持ちもとても解りまして、このあたりは本当に切ないもの…涙が出そうになりましたし、幸村さんには仁乃さんをしっかりと支えていただきたいものでございます。
その翌日、なぜか…本当になぜか合宿所の皆さんは幸村さんより一足先に起き、置き手紙を残してどこかへ行ってしまっておりました(仁乃さんは停学中ですので空き教室に隔離されております)
そういえばお二人が恋人同士になられたことに関して、皆さんの反応を見られなかったのがさみしいのでございますけれど、ともあれ皆さんが何をしていらっしゃるのかとても気になります…ストーリーとは関係ないのでしょうか。
ともあれ、登校する幸村さんの耳には他の生徒が口にするとても腹立たしい噂が聞こえてまいりまして、あれはよく気持ちを抑えたものでございます…激情に駆られて殴りかかっていても個人的には仕方のないと思えるほどひどい話でございます(幸村さんの仁乃さんを想うお気持ちがよく伝わってきてそれはそれでよろしいものでございましたけれども…本当に、あの様な一途でかわいらしい子をあの様に言うなんて許せないことでございます)
さらに、昨日は仁乃さんの精神状態が危ういということで特別に会わせてもらえたわけでございますけれども、今日は会おうとすると要先生が立ちはだかってまいりまして、戦うことになってしまいました。
幸村さんも惜しいところまではいったのでございますけれども、これは負けても仕方のない相手でございます…はい、負けてしまわれました(負けた後のやり取りがまた愉快な感じでもございました)
一応、仁乃さんは彼を励ます内容の手紙を要先生に託しておりましたけれども、それでも一瞬教室で垣間見た姿がやや危ういご様子でした気もいたしましたし、ちょっと心配でございます。
と、昨日はそこまででございまして、ちょっと切ない展開となってまいりました…仁乃さんの過去にあったことが判明し、幸村さんが支えてあげるシーンなどは泣けてしまいましたし、その後の嫌な噂話のほうでは怒りがわいてまいりました(でもハッピーエンドで終わるのが前提でございましたらこういう展開も悪くなく…)
もちろんこれで終わってしまわれるはずございませんし、彼も仁乃さんもこの色々な逆境を跳ね返して最後には船も空に飛ばしてくださるはず…引き続きのんびり進めましょう。
と、この作品をお勧めしてくださったあのかたには、私の1周めの感想のせいでとてもご不快な想いをさせてしまって、とっても申し訳のないことなのですけれども…でも、この2周めの仁乃さんルートは個人的には今のところとてもよろしいものでございまして、けっしてこの作品が私に合わなかったわけではない、ということは解っていただきたいのです…。
1周めのことは、やっぱり百合的によい女の子が他の人に好きなかたを取られる、という展開が苦手な私にとってつらいルートで、それはこの作品に限らずどの作品でもそういう展開があったらそうなってしまう(その様な展開のために購入を切った作品もございます)…と、それはそれで、私の心の狭量さがとても問題になるかとは思いますけれど、少なくってもこの作品自体が合わないということではけっしてなくって、今の仁乃さんルートなど、全般的にはとても楽しくプレイさせてもらっておりまして、イラストもとてもよきものでございますし、百合でないギャルゲーもやってみてよいものだと思わせてくださいます(もちろん最良は百合なギャルゲーなわけではございますけれども、そうでなくっても当初考えていたよりは気になりません)
…と、この様に言い訳がましいことを、そもそもあのかたについてこの様なところに書いたりしてはまたご迷惑などおかけするかと思いますので、今後はこうして触れるのは控えますけれども、お会いできなくっても日々ご無事をお祈りしておりますので、お忙しかったりいたしましてもどうかご無理はなさらずにお過ごしくださいまし…。