
□ひらり、 ピュア百合アンソロジー(14)
■アンソロジー
○イラスト評価:★★★☆☆(3.4)
○内容評価:★★★★★(4.5)
○百合度評価:★★★★☆(4.0)
○総合評価:★★★★☆(4.4)
こちらは先日色々なものとともに購入をいたしましたものとなりまして、過去に既刊を読んでおりますことから購入をいたしましたものとなります。
コミックスとしましては特に決まったレーベルはなし…と、以前には別冊となる『ほうかご!』を読んでおります。
内容としましては、タイトルどおり百合なアンソロジーでございます。
と、説明がやはり以前読みました第13巻の感想と同じとなりましたので、詳細な説明は省略をいたします。
今号もやはりとても分厚いものとなっておりまして、あるいは今までで一番分厚いのではと感じるほどのボリュームとなっております。
今回参加をしていらっしゃる作家さまのうち私がコミックなどを持っていらっしゃるかたとしましては、作品の掲載順に以前読んでおります『終電にはかえします』の雨隠ギドさま、以前読んでおります『星川銀座四丁目』などの玄鉄絢さま、以前読んでおります『乙女乂乱舞』の今村陽子さま、以前読んでおります『エデンの東戸塚』などの袴田めらさま、以前読んでおります『あさがおと加瀬さん。』の高嶋ひろみさま、以前読んでおります『ライカ、パブロフ、ポチハチ公』などの四ツ原フリコさま、以前読んでおります『初めて、彼女と。』などの森島明子さま、先に触れました『エデンの東戸塚』と同時に読んでおります『ひみつのレシピ』などの森永みるくさまがいらっしゃいました。
お話のほうはもちろんタイトルどおり百合をメインにしたアンソロジー作品たちが収録されております。
連載作品たち、『加瀬さん。』は今回はライバル…というか加瀬さんに片想いをする他校生の話になっており、山田さんは登場いたしませんものの微笑ましい4コマなお話となっておりました。
その他連載陣でいえば中村カンコさまの『つばくま!』が見当たらず、個人的に好きでした作品ですのでこのままフェードアウトしてしまうのか不安でさみしい…他の連載作品群や今回初収録で続きがありそうなお話たちも、この先続きが描かれるのか、それともこれで終わりとなってしまうのか、さみしく不安…。
『百合姫』などではお見かけせずこの『ひらり、』でしか読み切り作品を見かけないかたがたの作品にももうお会いできないのかも、と思うと悲しいです…。
どうしてその様な不安や悲しみを抱くのかといいますと、『ひらり、』はこの巻で完結、最終巻…休刊するというのでございます。
以前に同様に長く続いていた百合アンソロジーな『つぼみ』が終わってしまったこともございますし、全てのものにいずれは終わりがくるということは解っているのでございますけれど、それでもとってもさみしい…この喪失感は『つぼみ』以上、いえかつて存在した全ての百合アンソロジーや『百合姉妹』がなくなったとき以上の気がいたします。
この季刊というあまり無理をしていないと感じる発刊ペースに安心していて、この様な日が訪れるなんて思っていなくって…とっても、とっても残念でございます。
これは本当に、残された百合アンソロジーを大切にしていかなければなりません…以前読んでおりまして第2巻が7月発売予定でしたのが延期している『メバエ』も延期を責めることなくのんびり待ちたいですし、以前読んでおります第1巻以降音沙汰のない『SAKURA』も急かすことなく、希望を失わずのんびりお待ちいたしましょう。
と、あまりに悲しいお話にショックを受けてしまいましたけれど、収録作品は『つばくま!』がないことを除けば概ね満足のいくものとなっていたかと思います。
個人的に特に好きな読み切り作品は国内外の極道の家の娘さんが友情を結ぶおちゃさまの『ゴクドーマフィアガール』や相手の子の幸せを思うあまり臆病になってしまう子を描いた芥文絵さまの『わたしの好きなあの子のこと』、そしてちょっとファンタジーな2つとなる伊藤ハチさまの『神様の棲む森』とカザマアヤミさまの『真夜中のマーメイド』あたりでございましょうか。
…四ツ原フリコさまのシンデレラシリーズが好きなのでございますけれど、あの分量ではとても単行本にはなりません、よね…『加瀬さん』も完結していないので続刊が読みたいですし、今村陽子さまの『ほんとのかのじょ』や犬丸さまの演劇部シリーズに『つばくま!』も気になりますけれど、単行本はやっぱり無理でございますか…?
イラストはアンソロジーでございますので玉石混淆ではございますけれど、概ね悪くございません。
百合的には百合なアンソロジーでございますからいずれもよいものでございます。
ということで、何と『ひらり、』はこれで終わりということになり、ついこの間『ほうかご!』の第2巻が出ましたのにこの様なことになるとは本当に思ってもおらず、喪失感が非常に大きい…あぁ、せめて上で触れました作品群や芥文絵さまなど読み切りを多く描いてくださったかたの単行本を出してくだされば、せめてものなぐさめになるのでございますけれど…(カザマアヤミさまの短編集は今作と同時に出てくださいましたけれども)
とっても大好きで暑くて厳しい日々が続いてしまいますけれどもご無事でいらしてくださいますことをお祈りしておりますあのかたもお好きなシリーズな『サモンナイト』は『5』のほうでエルストさんとの戦闘から…。
こちらのブレイブクリア条件、敵の全滅はともかくとして命浄の閃光で敵を5体以上撃破、というのは少々面倒ではございます…それでも普通に達成できるものではございましょう。
戦い終わり、エルストさんはアルカさんとスピネルさんの使う光を見て、その光こそが自分たちがずっと追い求めてきた存在、導きの光だといいます。
彼ら(エルストさんとガウディさん?)の調べたところによりますと、冥土とは魂が転生する際に不純物として除去されたものらしく、導きの光はそれを浄化するものらしい…そして、スピネルさんはその光がなぜかかたちとなった存在だといいます。
それを見たエルストさんはアルカさんとスピネルさんに全てを任せようとします…と、ここまではいいお話の流れでございましたけれど、ここでギフト氏が登場してしまいます。
ギフト氏はやはり本音の部分ではただエルストさんとアルカさんに認めてもらいたかっただけの様子で、ですのでアルカさんとエルストさんだけの世界で話が完結するのが許せない…ということで全てをかなぐり捨てて力ずくで、と襲い掛かってきます。
ですので連戦でギフト氏との戦いとなります。
こちらのブレイブクリア条件はアルカさんの覚醒響命術でギフト氏を撃破、ということになっておりスピネルさんのMPを貯めるのが多少面倒ではございますけれど、それでも何とかなるでしょう。
戦い終わり、逆上したギフト氏は持てる冥土の全てをアルカさんへぶつけようといたしますけれど、その前にエルストさんが立ちはだかりアルカさんをかばいます。
友人二人が争ってはならないと諭すエルストさんなのでございますけれど、その冥土が侵食をしてしまいもう正気を保てない…。
そしてそれを見たギフト氏は一瞬呆然といたしますけれど、冥土に飲み込まれた者はエルストさんとガウディさんの様に魂が一つになってしまうことに気づき、兄が自分を見てくれないなら自分が兄になってしまえば、一つになってしまえばよいと、自ら冥土を受け入れてしまいます。
このあたり、もう末期症状と思えてなりませんけれど、ともかく冥土に侵食されたギフト氏はエルストさんを連れて逃げ去ってしまったのでございました。
夜会話はなく、直接第14話へ移行…天空に冥土でできた2つめの月が現出してしまい、町の人たちが驚いてしまいます。
その月はギフト氏が冥土の世界へ至る門をこじ開けた結果現れたものと推測されるご様子で、それを見たティアさ…アティさんや総帥などが今後の対応について話し合いますけれど、アティさんがいよいよ戦う決意をいたします?
その様な中、その冥土の月から冥土が地上に降ってきてしまい、町で暴れてしまっているご様子…アルカさんたちもそれの対応に追われることになります。
ところで、その冒頭の会話の中で総帥たちと一緒に話していた大物らしい龍姫さんはオウレン、そして大家さんはラウラという名前が出てまいりましたけれど、それぞれ思わせぶりな登場から過去作に出てきたキャラの印象を受けますものの少なくとも正規ナンバリングタイトルには姿が見えませんでしたよね?
大家さんはルチルさん同様に七人の悪魔商人の一人らしいので『エクステーゼ』あたりに関係する人なのかもですけれど、龍姫さんは何者…やはりまた別の外伝か何かが絡んでいるのでございましょうか。
…そして総帥は立ち絵が右にあるか左にあるかで眼帯の位置が反転している…ちょっと適当すぎなのでは…。
自由行動、昨日は街中のもののみ、ということで龍姫さんとイェンファさんのやり取りのみ…イェンファさんは感じで書くと燕花、と書くらしいです(何)
イェンファさんはシルターンに住まいし龍姫さん直属の騎士でしたみたいで、でも確かイェンファさんってアルカさんとはじめてお会いした際に異世界について何の知識もなくものめずらしそうにしていらした様な…?
昨日はそこまでで、あとは引き続き町の外の会話イベント、それに新たなミッションも出現しておりますのでそちらをしつつ、新たな素材も得られますのでそちらを集めることになります。
ただ、この物語の展開は明らかに終盤、というよりもうラストバトル直前としか思えない…全くその様な感覚はなかったのでございますけれど、いつの間にかもうその様なところにまできてしまっていた模様でございます。
…今日の日誌のタイトルは、この第14話のタイトルから取ってみました…今作は確かに過去作に較べるとやや微妙な点も目立ちますけれど、でもよいところも多く、悪いものではないと思いますよ?
この感じでございますと、ギフト氏とエルストさんが最後の敵になる、というのが普通の流れかと思いますけれど、そうなると主人公のアルカさんにとってはかなり過酷な話といえるでしょう。
過去のナンバリングタイトルもそれぞれに因縁のあったり悲劇性のあったりする相手であることが多かったですけれど、こと主人公さんとの関係に絞ると…
-----
○無印:バノッサさん→敵対勢力といえるでしょう。
○『2』:メルギトス→大悪魔であり、正体が明らかになるまでもただの知り合い程度…。
○『3』:?→最後の敵はちょっと特殊すぎ…仮にイスラ氏だったとしましても友人の弟、という程度…。
○『4』:ギアンさん→敵対勢力といえるでしょう。
-----
…こういったところであり案外深い関係ではなくって、それに対して今作はギフト氏は幼馴染、エルストさんは尊敬し目指していた先輩、なのでございますからその過酷さは比較にならないほど…大丈夫なのでございましょうか。
一方の『ひとりのクオリア』のほうは、真希理さんの過去の回想かと思われる夢から…何やら過去に記者に取材を受ける様な事件が友人関係であったっぽいご様子です?
その詳細が解る前に目が覚めて、いつも通りの日常がはじまりますけれど、この日は月曜日…花梨さんに学校はないのかとたずねられます。
二度にわたる宅配便のチャイムに救われましたけれど、二度めは同じくらいの絶望を味わうことに…そう、以前注文直前でやめるつもりでしたパソコンがやはり注文されてしまっておりそれが届いてしまったのでございました。
翌日、まずは花梨さん視点…先日の学校の件、真希理さんは誤魔化しておりましたけれど非常に怪しく、花梨さんは独自に調査をすることにいたしました。
一人でお出かけして、学校のある町へ向かい、そして元の町の駅でその学校の下校生徒に何か話を聞いてみよう、というかなり活動的なところを見せます。
そして下校中な3人の女の子のひとりに声をかけようといたしますけれど、その子はこちらが声をかける前からこちらを気にしており、さらに向こうから声をかけてまいりました…でもすぐに逃げ去ってしまったのでございます。
その子は明らかに以前真希理さんが電話で話していた相手かと思われ…?
一方の真希理さんは花梨さんの帰りが遅いのが少し不安…ですので、せっかく牛丼を買ってきてくださって帰ってきた花梨さんに少し大人気ない態度を取ってしまいます。
それをすぐに後悔した真希理さんは花梨さんに謝るとともに、お詫びのしるしなど色々な気持ちを込め、先日届きました新品のPCをプレゼントしようとします。
当然その様な高価な品物を受け取るのは拒否され、最終的には真希理さんが今まで使っていたPCを花梨さんが使う、ということで落ち着いたのでございました。
昨日はそこまででございまして、真希理さんが学校に行かない理由が少しずつ見えてきたというところ…ところで、花梨さんは本当に普通に真希理さんの家で暮らしているのでございますけれど、真希理さんがそれを望んでいるのでございますからよいのでございます?
【(更新終了)百合(かも?)作品感想の最新記事】
「ひらり、」休刊については、本当に残念でならないですね。
なお、「ひらり、コミックス」については、引き続き刊行されるとのことですので、該当サイトを参照していただければと思います。www.shinshokan.com/comic/information/220.html
但し、すべての作品がコミックス化される訳ではないのは当然なのですが…
この様な辺境のサイトへコメントをお寄せくださり、そしてひらり、コミックスの情報をお教えくださり、重ね重ねありがとうございます。
さっそく確認をさせていただきましたけれど、現在公開されている作品以外のものもいずれ単行本化される可能性がありそうで、希望を捨てずに待ちたいと思います。
そしてそれ以上に、『百合霊さん』がコミカライズされる、という事実に驚いてしまいました…期待したいものでございます。