2008年07月18日

天を衝く

もう元の発売日がいつだったかも忘れてしまったほど発売日の延期が続いていてもう最近では音沙汰もなかった『百合ミシュラン』こと『百合作品ガイド』ですけれど、現状では名前を『百合作品ファイル』という風に三度名前を変更し、8月13日に発売予定となっているみたいです。
まだ一応、過去の『百合姫』系で当初は発売予定になっていた『初恋姉妹』のノベライズ版やひびき玲音さまの画集みたいに「なかったこと」にはされていなかったみたいです…今度こそ出るのかどうか、ここまでくるとその趨勢が楽しみかもしれません。
…ただ、それがほしいかどうかと言われると、微妙かもしれません…私の知らない百合作品が発掘できるかもしれませんけれど…。
個人的には、発売しないのならばそれはそれでもうそのほうがよいのかな、なんて…。


では、先日読んだ文庫のレビューをば♪
天を衝く
□天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男・九戸政実(1〜3)
 ○イラスト評価:―(評価不能)
 ○内容評価:★★★★☆(4.4)
 ○百合度評価:☆☆☆☆☆(-1.0)
 ○総合評価:★★★★☆(4.4)

これは先日の美紗さんの講座で触れた作品で、ずっと昔に読んだながらまた読みたくなってしまったので読んでみたものです。
ちなみに、私が買ったものではなくて家にあるもので…家にはこうした本がいっぱいありますので、以前はよく時間のあるときに読んだものです。
私がこういった本や歴史が好きになった大きな要因となるかもしれません。
…こ、こんな結構長い小説を読む時間があるのならばたまっている百合系な小説を、せめて同じくたまっているコミックを読みなさい、というのは解っているのですよ?(何)

内容のほうは、戦国時代の後期に今の青森県から岩手県のあたりを支配していた大名家、南部家の一族である九戸政実の半生を描いた作品となります。
九戸政実というとかなり有名…ではない武将となりますので、地元の人かこの本を読んだかたでない限りは知らないかもしれません(でも、かなり以前に『その時歴史が動いた』で取り上げていたはずなのです)
一応例のゲームにも登場していましたけれど、なかなか微妙な能力値…顔グラフィックはまずまずでしたけれど。
九戸政実はあの小田原北条氏が秀吉に降伏した後、そして陸奥の葛西、大崎の乱の後に秀吉軍およそ10万を相手に5000の兵をもって対決をし、さらに互角以上の戦いを進めた…ということとなります。
本を読む限りではかなり見事な武将で、彼が南部家を継承していたら陸奥の南部、伊達や最上と関東の北条で一大連合を組んで秀吉に対抗することができたのではないかと思われたりするわけです。

主人公の九戸政実は「北の鬼」と呼ばれる猛将、それでいて頭も冴える戦の天才…しかもその生き様が小説であるということもありますけれど非常にかっこよいわけです。
最後には潔く散ってしまうわけですけれど…私がここで紹介している百合系以外の作品ってこれといいこれといい、熱い男の戦いの、しかも一種の滅びの美学のお話ばかりになってしまっている気がします。
でも、私がそういうお話を好むというのは事実ですので…己の生命を賭して熱く戦う男はやはりかっこよいものがあるかと思います♪
ちなみに個人的に一番好きな登場人物は、やはり主人公である九戸政実…といいたいところですけれど、長牛友義でしょうか。
九戸政実はいささか完璧すぎるところがありますし…長牛友義はこの作品にあって珍しい、非常に微笑ましい武将です♪

イラストのほうは全くありませんので評価のしようがありません。
百合的にも全くありません…そちらを期待して読む作品ではありませんから。
ともあれ、よい小説です…この作者さま、高橋克彦さまはこれの他に東北を舞台にした三部作としてアテルイを主人公にした『火怨』に奥州藤原氏を主人公にした『炎立つ』があって、後者は昔大河ドラマにもなったのです。
大河ドラマ…前田利家や山内一豊などが大河ドラマになるくらいでしたら、三好長慶や北条氏も十二分に大河ドラマにするだけのものだと思うのでした。
とにかく、これら三つの作品に共通するところは中央政権に対抗する東北勢力、というところ…明らかにそれをテーマにしておりますね。
私はどちらかというと地方を応援してしまう傾向がありますので、この三部作は好きなわけで…♪
戦国時代でも秀吉が嫌いで関東自立を目指した北条氏が好きだというのはそういう理由が大きかったりします…もちろん奥州藤原氏も好きですし、これからも解るとおり平将門公も好きで、東国に政権を樹立した源頼朝も好きです。
私が住んでいる場所は京都に近いのに、おかしな話ですね…しかも今やっている例のゲームで選択している三好氏は、中央政権を担った大名ですし…いえ、こちらの本拠は四国ですから、ね?
…ちなみに、私の地元の大名もゲームに登場しましたけれど、あまりに弱小…かつては室町幕府の四職を務めた名門なのですが、確かにこれは妥当な評価…。


また、同時にこちらのコミックも読みましたので…♪
なかなかよい感じで…♪
□南波と海鈴(2)
 ○イラスト評価:★★★☆☆(3.0)
 ○内容評価:★★★☆☆(3.0)
 ○百合度評価:★★★☆☆(3.0)
 ○総合評価:★★★☆☆(3.0)

こちらは過日『百合姫S』などとともに購入をしてきたもので、以前第1巻を読んでいたものになります。
コミックスとしてはおなじみの百合姫コミックスとなります…この作品は『百合姫』にも『百合姫S』にも連載されている唯一の作品、となりそうです。

内容としては、なぜか猫耳の女の子な南波さんと、その同級生でお金持ちでツンデレな女の子な海鈴さんの日常を描いたギャグマンガとなっております。
第1巻のレビューでは百合度は低めと書いてありますけれど、徐々に上がってきている気がいたします。
登場人物も、南波さんと海鈴さんの他、南波さんのお姉さんがたや海鈴さんを慕う忍者な女の子など、色々なかたが現れて…♪
忍者な女の子、真子さんのエピソードは正直にいって少し泣けてしまいました…これを見ると、真子さんを応援したくもなってしまうのですけれど…。
ちなみに、個人的にはやはり海鈴さんが非常によいですね…つり目のツインテールなかたと、まさにツンデレです♪

イラストのほうは、第1巻と較べるとずいぶんとよくなってまいりました♪
百合的には海鈴さんの南波さんへ対する想い、真子さんの海鈴さんへ対する想い…と、全般的にまだ報われていないものが多いですけれど、あとは南波さん次第でしょうか。
ともあれ、なかなかよい作品かと思います♪
posted by 桜乃 彩葉 at 05:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 百合(かも?)作品感想
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