2006年12月01日

私立天姫学園

最近は暇を見つけて、毎日私がお世話になっている『私立天姫学園』の中から叡那さまとエリスさんのお話を少しずつ考えています。

これは桜花さまのサイトに私がときどき投稿している叡那さまたちの物語東方バージョンの一環として桜花さまからのリクエストで書いているのですけれど、ちょっとここで最初の部分だけ先行公開したいと思います。
色々と問題がありまして…はっ、ま、まずはよろしければ読んでみてくださいまし♪

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(注:これは、東方の世界にある叡那さまのお社のお祭りのときに美紗さんがエリスさんに渡した本の中味です)

 ―私立天姫学園。
 広大な敷地にたくさんの施設のある、小中高一貫の学校。
 男子禁制、そして外部の人の進入も厳しく禁じるこの学校には、いくつかの特徴があります。
 信頼と愛情で結ばれた先輩さんと後輩さんを結ぶ姉妹制度。
 そして、普通の人は持っていない特殊な力を持った女の子のみが入学を許される場所。
 これは、そんなちょっと不思議な百合の園で繰り広げられる、とある女の子の物語です。

「全く、どうしてあたしがこんなことしなきゃいけないのかしら」
 夜の中等部校舎を不機嫌そうに歩く一つの影。
 少し小さめの背、長めのツインテールに気の強そうなつり目が印象的な子…。
「せっかく今日は手に入った魔導書の力を試してみようと思ったのに…全く」
 その女の子は、中等部三年生の冴草エリスさん。
 とあるお屋敷のお嬢様ながら、強い魔力を持っているということでその力を制御するためにこの学園へ入学した子です。
 ちなみに、この学園とよく似た感じのとある学園とは違って、この学園は入学や退学は自由ですし、学園の外へ出ることもできます。
 と…話がそれましたけれど、エリスさんが不機嫌なのは、今日の当直である担任の先生に代わって中等部校舎の見回りをお願いされたからです。
「いくら風邪引いたからって、生徒に頼むことないでしょ、もうっ」
 確かにエリスさんの言うとおりなのですけれど、先生が彼女を頼りにするのにも理由があります。
 この学園には生徒の持つ力や成績などに応じて階級というものが与えられています。
 階級は星の数というかたちで表されていて、一番下は星一つ、一番上は星五つ…星五つの生徒はほとんどおらず、幹部生といわれています。
 エリスさんは星三つ…中等部の生徒は星三つまでしか与えられませんので、一番上なんです。
「はぁ…もう、やっと終わりね」
 だから先生に頼まれごとをされることも多いのですけれど、彼女にはそれが疎ましく感じられているみたいです。

「さてと、面倒なことも終わったし、ちょっとこの魔導書を…」
 エリスさんの持つ特殊な力は、その魔力と想像力を具現化する力です。
 そんな彼女は魔導書と呼ばれる書物を使って、魔法などの訓練をしています。
 この学園には戦闘に使える力を持つ生徒がたくさんいますから、そういった生徒のために広い訓練所も備えられています。
「はぁ、今日はずいぶん人が多いわね。こうなったら…」
 その日の訓練所は満室な感じでしたので、彼女は別の場所へ向かいました。
 向かった先は、学園のはずれにある古ぼけた建物。
 ずっと昔に校舎として使われていた、けれど今では使われておらずなぜか取り壊されることもなく放置されている場所。
 放置されているうちに得体の知れない生物が棲みついてしまった、旧校舎です。
 その状況に先生たちはそこを立入禁止にしました…校舎の入口にもそう書いてあります。
「さてと、今日は誰もいないわね?」
 けれど、彼女は何のためらいもなく中へと入っていきます。
「やっぱり訓練には相手がいたほうがいいものね」
 そう、ここにいる得体の知れないものたちを相手に戦闘の訓練をするためです。
 旧校舎には、そういった目的で訪れる生徒が少なからずいます。
 もちろん、先生たちも見回りをしていますけれど…。
 そんな旧校舎の中は重く、不気味な気配が漂っています。
 夜ですし、お化けの苦手な人でしたら怖くて入ることもできないでしょう…現に、お化けよりももっと怖いものが出ますし。
「…さっそく現れたわね。相手してあげようじゃない」
 エリスさんを取り囲んだのは、実体のない黒い影たち。
 この校舎には魔界からやってきた魔物、実験に使われたと思われる魔法生物、悪霊の類…と、ありとあらゆる危険で異形のものたちがいます。
 …どうして学園がそれを放置しているのかは、よく解りませんけれど…。
 ともかく、黒い影たちに取り囲まれても彼女はおびえることもなく一冊の本を取り出します。
「それじゃ、この本の力を試させてもらおうかしら」
 一斉に襲いかかってくる影たち…ですが、エリスさんの持つ本から放たれた炎に包まれてしまいます。
 不気味な絶叫をあげて消えていく影たち…。
「ふぅん、まあまあかしら」
 本は炎の力を持った魔導書…もちろん、その力を使うために必要な魔力はエリスさんのものです。
 魔導書は使う人が強い魔力を持っていなければ暴走してしまいますし、そのあたりはさすが…なのですけれど。
「なかなか、きりがない感じね…」
 黒い影たちは次から次へと現れてきます。
「しょうがないわね、ここは一気に…」
 エリスさんが新たな魔法を使おうとした…そのときでした。
 突然、旧校舎全体が不思議な力に包まれてしまいます。
「なっ、これって…広域結界? どういうこと?」
 事情が全く飲み込めない間に…あたり一面、まばゆい光に包まれてしまいました。
 普通の魔法の力とは違った、聖なる…そしてすごく強大な力を持った光に…。

(以下は本公開まで秘密です)

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…と、こんな感じなのですけれど、私の作品としては珍しく一人称の作品ではありません。
読みやすいのかどうかは、私には判断がつかないです…ぁぅ。

しかも、冒頭の部分だけでこんなに長くなってしまいました。
これを最後まで完成させると、私が今まで桜花さまのサイトに投稿した作品全てと同じか、あるいはさらに長くなってしまうかもしれません…。

それで、この物語を完成させられたとして、桜花さまへ読んでもらう…まではよいのですけれど、その後をどうしようか困ってしまいました。
リクエストしてくださった桜花さまに読んでいただくために書いていますので、完成したらメールで送らせてもらうことはしますけれど…確実に長くなる物語をサイトにupしてもらうのはあまりに大変でご迷惑なことですので、そこは桜花さまにお任せしようと思っています(もちろん、内容がご期待に添えない様な駄文の駄文でしたら、そのまま処分してあげてくださいまし〜)

…その場合、私のサイトでの公開というのはあまり考えていなくて、天姫学園の美紗さんの学生寮で公開…ということも考えています。
この物語、一応美紗さんが書いた…ということになっていますので♪

何はともあれ、まだ冒頭しか書いていませんので、まずは完成させることが先決です。
本当に長くなりそうですので、一段落したら桜花さまには読んでもらおうかな…と考えています〜。

…学園の他のカップルのお話を読んでみたい、というかたがいらっしゃいましたら…って、そんなかたはいらっしゃいませんよね(何)

ほ、他の物語も何とか更新しておりますよ〜?


学園関係で追記…馬術が得意な姫花さんの愛馬の名前を『ウラヌス2世』にしてみました♪
えっとですね、昔のオリンピックの馬術で日本人が金メダルを取ったときの馬の名前が『ウラヌス』だったみたいで、それにあやかってみました♪

…本当は黒い馬にしようと思ったのですけれど、最終的にはやっぱり白馬にしてしまいました(何)
posted by 桜乃 彩葉 at 20:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | (更新終了)物語関連
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