□つぼみ(7)
■アンソロジー
○イラスト評価:★★★★☆(3.5)
○内容評価:★★★★☆(4.4)
○百合度評価:★★★★☆(4.0)
○総合評価:★★★★☆(4.0)
これは先日色々なコミックとともに購入をしましたもので、過去に既刊を読んでおりますことからも購入をしたものとなります。
コミックスとしましてはおなじみなまんがタイムきららコミックスではあるのですけれど、こちらは「GLシリーズ」という独立したものとなっており、普通のきらら系についている通しナンバーもついておりません。
内容としては、以前読みました第6巻同様に百合onlyなアンソロジーコミックとなっていて、相変わらず雑誌並みの分厚さと参加作家さまを誇っております。
というより、この作品はこのままコミック扱いで感想を書いていてもよいのか、徐々に疑問になってまいりました。
いえ、この作品はこの巻から隔月刊となるのでございます…つまり『百合姫S』を廃して隔月刊化することになりました『百合姫』と同じ間隔で発行されるものになるのでございますから、これはもうコミックではなくて雑誌ではないのかな、となってくるわけでございます。
収録作品のほうも、さすがにもうコミックの帯に「読み切りいっぱい」と書かなくなりましたほど連載ものが多くなっておりますし、何しろ『つぼみ』で連載されております作品たちが別にコミックとして「つぼみシリーズ」として出てきたのでございますから、これはやはり雑誌と思ったほうがよいのかもしれません。
…っと、何だか文句を言っている様にも見えてしまいますけれど、百合なアンソロジーの隔月刊化は非常に嬉しいことでございますし、歓迎すべきことでございます。
作家陣のほうは、おなじみのかたがたに加えまして、前の巻でカラーイラストを描かれておりまして以前総集編を読んでおりますかずといずみさまが本編のほうにも参加をしていらっしゃいます。
そして収録作品たちのほうでございますけれど、上で触れました様にほとんどが連載ものとなってきております…読み切り作品は他の百合アンソロジーに任せて『つぼみ』と『百合姫』は雑誌ですから連載ものが多くてもコミックもいずれ出ていいこと、としておけば特に問題もないでしょうか。
今回個人的に好きでございましたのは三屋知子さまの『ニックネームアパート』とかがみふみをさまの『なかよしにっき』でございましょうか…いずれも読み切りの作品でございますけれど、これらはかなり続きを読んでみたいです(『なかよしにっき』は最後のページの欄外に意味深なことが書かれておりましたけれど…期待してよろしいのですか?/何)
数多い連載作品たちもいずれもよきものたちでございます…今回同時にコミックが出ました玄鉄絢さまの『星川銀座四丁目』はかなりボリュームが少なかったですけれど、吉富昭仁さまの『しまいずむ』は相変わらずのおバカさを誇っておりました。
磯本つよしさまの『ガールズライド』なども続きがきちんとあってくださり嬉しゅうございました…これから先、色々な作品がコミック化にまで繋がってくだされば幸いでございます。
イラストのほうはアンソロジーでございますので玉石混淆でございますけれど、よきもののほうが多かった気がいたします。
百合的には百合なアンソロジーでございますから問題ございません。
ともあれ、隔月刊行も決まってさらにこの作品からのコミックも出てくださったのでございますから、このまま安定して発行していっていただきたいものでございます。
…と、隔月刊行化記念ということか、今回は『婦女子的艶麗着色読本』というカラーイラストな小冊子がついてまいりました。
また、同時にこちらのゲームをクリアいたしましたので…。

□魔女アリサの物語
○イラスト評価:★★★☆☆(3.4)
○グラフィック評価:★★★☆☆(2.5)
○システム評価:★★★☆☆(2.5)
○内容評価:★★★☆☆(2.5)
○音楽評価:★★★☆☆(3.4)
○声優評価:★★★☆☆(2.5)
○難易度:☆☆☆☆☆(0.1)
○百合度評価:★★★☆☆(2.5)
○付加要素(おまけなど):★★★☆☆(3.3)
○総合評価:★★★☆☆(2.6)
こちらは過日購入をしましたもので、何となく気になりましたので購入をしましたものとなります。
こちらは同人ゲームとなりまして、ですので当然PC用のゲームとなります。
内容としては、幸福を求める魔女アリサさんの物語となります。
主人公のアリサさんは見習い魔女の女の子…皆さんの幸せを願い、楽しいことの好きな、そして暗いところや怖いものの嫌いな、ちょっと…いえ、結構変わった、でもいい子といえる女の子です。
そんなアリサさんは何かを探していらして、その過程で魔女たちの住まう街へたどり着きます…そこで暮らす4人のかたがたと一緒に暮らす様になりまして、幸せな生活を送っていくのでございますけれど…。
メインキャラとなりますその4人は、猫から人になりましてやさしくほわほわした性格のエレノアさん、黒い翼を持ちツンデレ(ツン分がかなり強いですけれど)のブリジットさん、いつも鳩を頭に載せておりまして大人しい性格のティスベーさん、そしてちみっこで元気いっぱいのヴィヴィアンちゃんでございます。
お話はそんな4人とアリサさん、それに街のかたがたのやさしくあたたかい日常を描いておりまして、それは本当に心があたたまります。
後半では主に皆さんの過去によって皆さんの絆が引き裂かれそうな危機にも陥りますけれど、主にアリサさんの奮闘によりそれも無事解決し皆さまの絆も戻って…と、ここで終わっておりましたら、この作品は特に文句のない良作、と私は言ったかと思います。
けれど、その後、アリサさんの探し物、つまり彼女の過去の記憶が蘇るのでございますけれど、これがかなり悲惨な過去で、見ていてこちらの血の気が引いてしまうのが解ってしまうほど、これまで私が見たあらゆる作品の中でも一番悲惨な過去を持っていらして、そのために彼女は精神を破壊されてしまうのでございました…(血の気が引いたゲームなんて、これがはじめてでございます…)
それだけでも厳しいのでございますけれど、そのアリサさんを立ち直らせたのはエレノアさんやブリジットさんたちではなく、すでに亡くなっている、名前も解らない過去の男…皆さんの絆より意味不明な男にいいところを持っていかせるなんて、これはあまりにあんまりな気がしてしまいます。
正直に言いましてアリサさんの過去があまりにも、ここではとても書けないくらいきつすぎたことと、彼女が立ち直る過程が非常に残念であり、その2点で評価を大幅に落としてしまいました…この2点さえ何とかなっておりましたら、内容評価も3.5以上でしたはずです…。
この作品、クリアいたしますとおまけシナリオがかなりたくさん、本当にたくさん出てまいります。
そのいずれもがよきお話で、心があたたまる素晴らしいものでございます…ですので、余計にアリサさんの過去をあそこまで、とても文字にできないほど悲惨なものにする必要があったのかどうか、疑問になってしまうのでございました…(まぁ、あれが本当の本当にアリサさんの過去なのか、と断言できるわけではございませんけれど、それでも…)
イラストのほうは、何と150人にも及ぶイラストレータさまが450枚以上のイベント絵を描いていらっしゃいますので見事にばらばらでございますけれど、どれもなかなかよきものでしたかと思います。
グラフィック、つまり背景なども同じ理由でばらばらでございますけれど、悪くはなかったかと思います。
システムのほうは普通のアドベンチャーゲームでございましょう。
内容のほうは、本当に上に触れました2点が残念…それ以外は文句のない作品でございますから。
あと、ところどころ明らかな誤植や音声飛びなどやや粗が目立ちましたけれど、同人ゲームでございますのでそこまで目くじらをたてる必要はございません。
音楽のほうも色々なかたが作ったものみたいでございますけれど、なかなかよきものでしたかと思います…ボーカル曲は4曲以上あった気がいたします。
声優さんのほうは30人以上参加していらしてほぼ全てのキャラに声がございますけれど、一部キャラになかったのがちょっとさみしい…。
難易度はないに等しいはずでございます…選択肢はわずかに2つ、しかもそのうちの1つはどちらを選んでも関係のないものでございますから。
もう1つの選択肢というのがアリサさんの過去を知るか知らずにいるか、なのでございますけれど…きちんとしたエンディングを見るには、もちろん知らなければなりません…。
百合的にはほのかにはあったかとは思います…この手のほんわかした素敵世界の作品には、無理に百合、いえ恋愛要素を求める必要はないでしょう(アリサさんの過去は気にしない方向にしておくべきかと…)
付加要素は…クリア後に出てきますたくさんのおまけシナリオを付加要素と考えますと、かなりあるかと思います。
ともあれ、この作品は少し惜しい作品…でも、基本的には心のあたたまるよきおはなしでございます。
むしろ、本編であまり活躍できなかったサブキャラの皆さんが活躍されるおまけシナリオのほうがむしろ好きかも…この作品、魔女の街に住まうサブキャラさんたちがかなり魅力的で微笑ましいかたがたばかりでございますから(好きでないキャラは屋敷の王子もどきくらいでございましょうか)
これで『Fate/EXTRA』のほうに集中をすることができます…いえ、このテスタロッサでない『フェイト』なのでございますけれど、これがかなり面白い作品でございまして、どんどん先へ進んでみたいと思うものでございます。
適度にレベル上げを挟みまして、頑張ってまいりましょう。
と、この作品の主人公のお名前は私も参加しておりましてフィンさまがこちらにファンサイトを作ってくださっております『私立天姫学園』に登録しておりますアサミーナこと石川麻美さんにそのカップリングとなっておりましてこの作品をお勧めしてくださった桜花さまの持ちキャラでございます灯月夏梛さんの名字をいただきまして「ヒヅキ・アサミ」とつけているのでございますけれど、この作品を進めておりますと灯月麻美、という名前のほうが自然に感じられる様になってまいります(何)
…今日あたりあの作品が届きそうでございますけれど、あれは過去にクリアしたものとほとんど変わらないそうですし、のんびり進行すればよろしいでしょう。
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