□この靴しりませんか?
■水谷フーカさま
○イラスト評価:★★★★☆(3.5)
○内容評価:★★★★★(4.7)
○百合度評価:★★★★☆(3.5)
○総合評価:★★★★★(4.5)
こちらは先日色々なコミックとともに購入しましたもので、百合が確実ということもあり購入をしました作品となります。
コミックスとしましてはおなじみのまんがタイムきららコミックスではございますけれど、こちらは通常のきらら系コミックスではなく「つぼみシリーズ」という独立したレーベルとなっております。
…つまり先日読みました『つぼみ』に掲載されていた作品のコミカライズ版なわけでございますけれど、『つぼみ』は「GLシリーズ」というレーベル…統一すればよろしいのに(何だか毎回こんなことを言っておりますけれど)
内容としては、『つぼみ』にて掲載されました読み切りな作品が5話+α収録されました短編集となっております。
『つぼみ』で読んでおりました際には気付かなかったのでございますけれど、こうしてコミックとしてまとめて読んで、それにコミックの帯の説明を読みまして、気付いたことがあり…それは、この5つのお話全てが童話をモチーフにしそれを現代版、そして百合なお話にアレンジしたものだったのでございます。
例えば表題となっております『この靴しりませんか?』はシンデレラをモチーフにしたもの…といってもモチーフにしただけで内容は全く違った感じのものでございますけれど、このお話がまた面白いものなのでございます。
このお話のお二人は結局最後の最後にならないと実際に顔を合わしませんので続きを読んでみたいと強く感じます…さすがに続きは想像にお任せしますということなのかもしれませんけれど、それでも描きおろしとしてもうお一人のかたにスポットを当てた『金の靴、銀の靴』が収録されていましたのは嬉しいところでございました(このお話のモチーフはもちろん泉に斧を落とすあれです)
その他のお話は、まずは赤ずきんをモチーフにしました『オオカミの憂鬱』…こちらはオオカミさんが逆にかわいい子の虜になってしまうお話でございます。
『わたしのアヒルの子』はタイトルどおりなもので、以前読みました『会長と副会長』での文化祭でのことや以前しました『その花びらにくちづけを わたしの王子さま』のラストあたりと同じ展開なわけでございますけれど、個人的にこういうお話は大好きです。
『雪のお姫さま』もタイトルどおりなもので、こちらは劇団のお話…演目はもちろん『雪の女王』です(何)
『はみだし音楽隊』については百合よりも4人のかたがたのあつい友情が素敵なお話…描きおろしとして『その後の音楽隊』が収録されておりましたけれど、どうやら2人ずつでカップリングが成立された模様?(自称○の娘もあくが強いわけでなく特に気になりませんでした…世間一般の○の娘とは違いましたし)
いずれのお話も百合的にはやや淡いものが多いのでございますけれど、それに不満を感じることは全くなかったでしょうか…いずれもとても素敵なお話たちでございましたから。
かつて百合姫コミックスでいくつもの素晴らしい読み切り作品を収録した短編集コミックを読みましたけれど、この作品はそれらに伍しても何ら遜色のない、素晴らしいと言ってよいかと思うほどのよき短編たちでございます。
本誌でも作品を読んでおりながらその際はそう強い印象を受けなかったもののこうしてコミックで改めて読んでみてそのよさに改めて気付かされたかたとしましては、以前読みました『ナイフエッジガール』の古街キッカさまがいらっしゃいましたっけ…やはり読み切り作品でもこうしてコミック化されるというのはとてもありがたいことでございます。
イラストはなかなかよきものでございます。
百合的には上で触れました様に淡い感じではございますけれど、でもいずれも素敵な百合なお話たちでございます。
ともあれ、これは素敵なお話たちで大満足でございました…この作者さまはこの作品上で触れました『つぼみ』第8巻にはいらっしゃいませんでしたけれども予告によりますと第9巻には掲載予定みたいでございますから、期待いたしましょう。
そして、つぼみコミックスもこの調子で百合姫コミックスにも負けないよい作品たちを続々と出してくださることも期待して…12月にまた2冊ほど出るみたいでございますし。
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