□それが君になる
■袴田めらさま
○イラスト評価:★★★☆☆(2.5)
○内容評価:★★★★☆(3.5)
○百合度評価:★★★★☆(4.4)
○総合評価:★★★★☆(3.5)
こちらは先日色々なコミックとともに購入をしましたもので、百合が確実な作品ということもあり購入をしました作品となります。
コミックスとしましては百合姫コミックス…基本的には『百合姫』にて連載されておりました作品が収録されております。
作者のかたは以前読みました『会長と副会長』や以前読みました『わたしの大切なともだち』などを描かれました袴田めらさまとなります…袴田めらさまの百合姫コミックスは『会長と副会長』と2ヶ月連続での発売となっております。
内容としては、過去の傷を負ったままの女のかたが、その傷を思い出させてしまう様な子に出会ってしまって戸惑ったりしながらも関係を深めていくお話、となるでしょうか。
主人公の雨音さんは学生時代に同性の恋人がいたのでございますけれど、とあるきつい理由によりその人と別れることになってしまい、その後はそのことが忘れられないながらも図書館で働く日々を送る、26歳らしい眼鏡の女のかたでございます。
その雨音さんはある日、勤め先からの帰り道にそのかつての恋人と外見がそっくりらしい、そしてかつて通っていた学校と同じ学校の女の子、陽さんと偶然出会い、封印していた過去を思い出してしまいます。
ですのでできればそんな子とはもう関わりたくないと考えるのが自然…いえ、かつての恋人との別れの理由は本当につらく傷ついて当然のもので、私が彼女の立場でしたらちょっと、自殺まで考えてしまうほどのものではないでしょうか、というくらいのものですから…。
でも、その陽さんはとても無邪気な女の子で、さらになぜか雨音さんをずいぶん慕ってきて、雨音さんの望むと望まざるとによらず、お二人の距離はどんどん縮まっていって…と、今回のお話はなかなかシリアスなものとなっておりました。
一方の主人公でございます陽さんについて、どこかで見たことのある気が…と思いましたら、以前読んでおります同じ作者さまのコミック『この願いが叶うなら』に登場しておりました子でございました。
この『それが君になる』は、『この願いが叶うなら』のその後のお話に当たるみたい…一応海さんと月子さんのお二人も登場いたしますので、両方を読むと少し楽しさが増えるかもしれません。
お話のほうは雨音さんが過去を乗り越えられるかどうか、というところだったのでございますけれど、連載されておりました『百合姫』では雨音さんが陽さんを拒絶したところで連載が終了しておりまして、どうなることか…と不安でございました。
そう、この作品も先日読みました『絶対少女アストライア』同様に『百合姫S』廃刊のあおりを受けてしまった作品…お話そのものは短縮されなかったもののクライマックスのシーンがコミックのみ収録となってしまった作品は、他にも以前読みました『ときめき☆もののけ女学園』あたりがございましたっけ。
ともあれ、コミックに収録されました続きのお話、最終話にかけてはお二人の距離が再び縮まって、最後にはハッピーエンドとなりましたので一安心でございます。
また、最後には読み切りで全く別のお話『黒い瞳の魔女』が収録されております…こちらは『百合姫S』第2号に収録されたお話でございます。
イラストは普通でございます。
百合的には百合姫コミックスということもあり問題ございません…海さんと月子さんに続いて陽さんもお相手ができてよろしゅうございました(何)
ともあれ、ややシリアスでつらい展開もございますけれど、女の子同士の恋愛について考えさせられるところもあったりいたしますし、それに最後はハッピーエンドでございますし、なかなかよきお話でしたかと思います。
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