2010年12月16日

少女+よりみち=まっしろ吐息

先日読みましたコミックの感想です。
相変わらず分厚く…
□つぼみ(9)
■アンソロジー
 ○イラスト評価:★★★★☆(3.5)
 ○内容評価:★★★★☆(4.4)
 ○百合度評価:★★★★☆(4.0)
 ○総合評価:★★★★☆(4.0)

こちらは先日色々なコミックとともに購入をしましたもので、過去に既刊を読んでおりますこともあり購入をしましたものとなります。
コミックスとしましてはおなじみなまんがタイムきららコミックスではあるのですけれど、こちらは「GLシリーズ」という独立したものとなっており、普通のきらら系についている通しナンバーもついておりません(『つぼみ』収録の作品がコミックになると「GLシリーズ」ではなく「つぼみシリーズ」になるのはやや不思議なところ…)

内容としては、以前読みました第8巻同様に百合onlyなアンソロジーコミックとなっていて、相変わらず雑誌並みの分厚さと参加作家さまを誇っております(今回は338ページだといいます)
これまでの感想でも度々触れておりますけれど、この作品はアンソロジーといいながらその実は雑誌と表現したほうがいい様な気のするもので、収録作品のほぼ全てを連載作品が占めるまでとなっております。
この傾向はよいことなのか悪いことなのか、なかなか難しいところではございますけれど、現状の『つぼみ』以外の諸々も考慮いたしますとこれでよろしいのかもしれません。
なぜならば、読み切りな作品を収録していて現在のところ定期的に刊行されている、しかも個人的にはかなりレベルが高いと思う百合アンソロジーが以前読みました『ひらり、』に以前読みました『百合少女』と2つもありますことに加え、この『つぼみ』と『百合姫』の2つの書籍がそれぞれ隔月で出ることになっておりますので、毎月『つぼみ』か『百合姫』かのどちらかは確実に出ることになっていて、毎月一定の百合分補給が可能になっている…ということがあるからでございます。
ですので、連載ものといった長めの、そのうち単独のコミックが出るほどの作品は毎月手にできます『つぼみ』『百合姫』で楽しみまして、良質な読み切り作品は『ひらり、』『百合少女』で楽しむ、というのがよろしいでしょう(百合アンソロジーは他に以前読みました『ComicリリィPLUS』という作品があったのでございますけれど、いつの間にか消えてしまいました…)

何だか前置きの様な文章が長くなってしまいましたけれど、ともかく今回の『つぼみ』でございます。
ほぼ連載ものが占めている中でも、以前短編集を読んでおりますかずといずみさまなど少数の読み切り作品も存在しております…ちなみにかずといずみさまのつぼみコミックス『くろよめ』が2011年2月に発売予定とのことでございます(あとカサハラテツローさまの『タンデムLOVER』も同時発売でございます)
連載作品もなかなか良質なものが揃っておりまして、その中でも個人的に一番好きでございましたのは以前コミックを読んでおります玄鉄絢さまの『星川銀座四丁目』でございます…現在はお二人の出会いを描いた過去編が進行中なのでございますけれど、その頃のお二人の関係もなかなか面白くって…。
その他の面々も、ごくごく一部の作品に個人的に首をかしげてしまう作品がないこともないながらそれはここまで分厚く、それに百合以外のテーマが特に指定されていないものなのですから当然といえば当然でございまして、おおむねよろしい感じ…以前読みました良作『この靴しりませんか?』を描かれました水谷フーカさまの『ロンリーウルフ ロンリーシープ』がかなり印象に残っております。

イラストはアンソロジーでございますので玉石混淆でございますけれど、全体的になかなかよろしかったかと思います。
百合的には百合なアンソロジーでございますので問題ございません。
ともあれ、第8巻の感想でも書きました様にここまで連載作品が多くなりますと新規に読もうという人がなかなか手を出しづらくなってしまう気がしますながら、収録作品自体はよきものが揃っているかと思います…そうしたかたはコミックを待つのも手かもしれません。
…ちなみに今日の日誌のタイトルは帯からでございまして、ああ書きまして「しんしん、くすくす、嬉しいおとなり。」と読みます。
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