2011年02月12日

ドリーム百合姉

先日読みましたコミックの感想です。
1巻完結…
□ドリーム百合姉
■あどべんちゃらさま
 ○イラスト評価:★★★☆☆(3.0)
 ○内容評価:★★★☆☆(3.4)
 ○百合度評価:★★★☆☆(3.4)
 ○総合評価:★★★☆☆(3.3)

こちらは過日色々なコミックとともに購入をしましたもので、何となくよさそうでございましたので購入をしましたものとなります。
コミックスとしましては『渚のハイQ部』や『もっと!委員長』などと同じ4コマKINGSぱれっとコミックスとなります。

内容としては、百合好きなかたが巻き起こす様々な騒動を描いた4コマ、となるでしょうか。
主人公は双子の姉妹…といいますと以前コミカライズ版を読みました『Candy boy』や先日読みました同じぱれっとコミックスの『ふたりずむ』を思い浮かべますけれども、この作品はそれらとは違いまして、その姉妹の百合なお話というわけではございません。
実質このかただけが主人公かと思われます姉の宮上沙良さんは小さい頃から色々な妄想の好きな女の子だったのでございますけれども、彼女のすごいところはその妄想に近づくためにものすごい努力をされる、というところでございましょうか…例えば何かのアニメに影響されたら、自力でそのアニメと同等程度のキック力を身につけたり、弓矢を手で受け止めたり、と…。
その様な彼女、フィクションの世界での理想形になるため学力もトップでスポーツ万能、そして外見もものすごい美人になられるのでございますけれども、全ては妄想の世界を現実化するために努力をした結果なのでございますから、妹は呆れているものの普通にすごいことでございます。
その様な沙良さんが中学校時代からはまりましたのが百合の世界でございまして、その妄想を現実とするために高校はお嬢さま学校に入りまして、自分の理想を達成するために色々騒動を巻き起こすわけでございます。
でも、沙良さんの本性を知っているのは妹とルームメイトになった人、あと妹のことが好きな先輩さんくらいでございまして、普通の生徒にはまさに素敵なかたでファンクラブが設立されたりと、彼女の思うとおりにことが運んでいくわけでございます。
最後は生徒会立候補騒動に巻き込まれますけれども、それも自分のペースにして成功をしていくわけで…彼女の思い通りになっていく様を楽しんでいく作品、という感じでよろしいかと思います。
…でも、結局誰かと明確なカップリングが成立するまでには至らなかったですけれども、ここまで周囲の皆さんをその魅力で虜にしていらっしゃるのでしたら、それでも十分でございましょう。

と、沙良さんが面白く魅力的なかたでございますので、妹さんを含めその他の人々は本当に脇役程度、といった存在となっております。
沙良さんの双子の妹の葉澄さんは二卵性双生児ですので外見は似ていらっしゃらず(『Candy boy』のお二人もそうでございますよね?)また性格も違いまして、姉に色々振り回され続けましたので苦労人の性格になっているでしょうか。
このかたは別に姉のことが好きでも何でもなく、苦労させられたため姉から離れたいと思い高校も別のところへ入ろうとしたのでございますけれども、結局姉の画策で同じ高校へ行くことになってしまわれたのでございました…学生寮でも同じお部屋でございます。
学生寮は3人部屋でございまして、もう一人のルームメイトは仁篠あやめさんとおっしゃり、このかたは口調も態度もかなりの乱暴者…沙良さんのことが大嫌いなご様子ではございますけれども、口でも力でも敵いません。
そのあやめさんの幼馴染の緒坂椿さんはほんわかしたかわいらしい女の子…沙良さんがはじめに狙いをつけた女の子でもございますけれども、あまりにいい子でございますからそれほどの進展は見られなかったみたいでしょうか。
その他、葉澄さんのことが好きで外見は美少女で人気も高いながら実は変態な性格だという桃瀬川雪子さんや沙良さんが巻き込まれた生徒会選挙騒動の黒幕となる人など色々いらっしゃいますけれども、正直に言いまして沙良さんさえいらっしゃれば他のキャラは全員モブキャラでも問題ない程度の存在感しかございません(何)

お話のほうは、上で触れましたとおり…沙良さんがいかに自分の理想の世界を築いていくかを楽しんでいくコメディ作品となっております。
残念ながらこの作品はこの1冊で完結でございまして、沙良さんが生徒会選挙で当選を果たしたところで終わっておりますけれども、これからも沙良さんは自分の好みの百合世界を築くために頑張っていくことでございましょう。
願わくば、その百合へ対する熱意がずっと続きますことを…いえ、中学校の頃からずっと抱いているのでございますから、きっと大丈夫でございましょう。

イラストは悪くございません。
百合的には特定のカップリングといえば妹さんと変態さんのものくらいしかないのでございますけれども、沙良さんが周囲に慕われるご様子はよきものでございます。
ともあれ、作者のかたがまえがきで「全然百合じゃないです」と謝っておられましたけれども、その様なことはなくってなかなか面白い百合コメディ作品でございましたかと思います。
ただ、コミックの帯に「百合姫編集部でもスルーor呆然で」と書かれておりました様に、『百合姫』などに掲載されるほどの正統派百合作品でないことも確かでございます…百合をネタにしたコメディonly作品、ということで…。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/43380778
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック