
□恋愛遺伝子XX(2)
■影木栄貴さま(原作)/蔵王大志さま(作画)
○イラスト評価:★★★★☆(3.5)
○内容評価:★★★★★(4.8)
○百合度評価:★★★★☆(4.0)
○総合評価:★★★★☆(4.4)
こちらは先日『百合姫』などとともに購入をいたしましたものとなりまして、過去に既刊を読んでおりますことから購入をいたしましたものとなります。
コミックスとしましてはおなじみとなります百合姫コミックスとなります。
こちらの作者さま…原作と作画のコンビのかたは作品が古すぎて感想は残っていないものの過去に読んでおります『春夏秋冬』という百合姫コミックスな作品と同じとなっております。
内容としましては、近未来…男性という性別の人間が絶滅してしまった後の世界で生きる少女を描いた作品となるでしょうか。
と、説明がやはり以前読みました第1巻の感想と同じとなりましたので、詳細な説明は省略をいたします。
この巻では親友という関係に収まったアオイさんとサクラさんの関係を中心に描かれていきますけれど、このお二人の関係が見ていて相当微笑ましい…そしてかなりコメディ描写も多くて笑わせられます。
要するに相当仲がよくって、アオイさんは当初この学校へ入った目的を完全に忘れてしまうほど…なのでございますけれど、サクラさんの婚約者でEVEな鈴蘭エリカさんはその光景が相当面白くございません。
ただでさえエリカさんとアオイさんの関係は険悪な上にその様なことがあり、エリカさんはアオイさんに想いを寄せるEVEでちょっと地味な少女な大和モミジさんをけしかけてお二人の関係を引き裂こうといたしますけれど…?
この巻ではそのエリカさんの陰謀が働く中でもより関係を深めるお二人のご様子が描かれており、終盤ではついにアオイさんも自分のサクラさんへの想いが恋愛感情だということに気づきます。
サクラさんもまたアオイさんのことがお好きで、これで両想いなのがはっきりしてめでたし…とはなりません。
この世界ではADAM同士の恋愛は禁止されておりますので、その禁忌を破ったお二人は決闘にて決着をつけ、負けたほうはEVEへ降格か退学かのどちらかを選ぶことになってしまうのでございました。
けれど、その決闘の末にちょっと意外なこと…サクラさんの姉で将来は国のトップに立つと思われるかたが味方になってくださり、物事は解決の方向へ流れていくのでございました。
この作品はこの巻で完結、最終巻となっておりまして、エピローグはやや駆け足の印象も受けましたものの、でもこの作品らしいちょっとおバカで愉快な、でもハッピーエンドといえるよきものになっておりました。
さらに巻末には描きおろしといたしまして数ヵ月後の皆さんのご様子が描かれておりましてそちらも短いながらもよろしいものでしたながら、ここでまた少し意外な事態が発生しておりましたり…?
第1巻での印象はよくなかったエリカさんでございますけれど、作者のかたのあとがきどおり、この巻で一番活躍をしていて面白かったのは彼女ではないでしょうか…まさか彼女が最後にあの様な道を歩むとは驚かされましたけれど、でもエリカさんとサクラさんの出会いのシーンを描いた回想編での彼女を見ておりますとそう意外でもない、のかもしれません?
さらにカバー下には10年後の様子が軽く描かれておりますけれど、色々幸せになっているご様子で何より…でもやっぱり何か笑いがこみあげてきてしまうのは、やはりこの作品だからでございましょうか(何)
イラストはなかなかよろしいものでございます。
百合的には文句のないもののはずなのでございますけれど、でもそれほど百合々々には見えないのは、コメディでおバカな要素が勝っているからか、それともADAMのかたがたの雰囲気が男性的だからなのか…?
ともあれ、こちらはこの巻で最終巻だったのでございますけれど、個人的には(主に笑える、楽しいという意味で)かなり面白い作品でございましたかと思います…もうちょっと長く、その皆さんの楽しい日常を見守ってみたかった、かも?
…この作品、今思いますと『百合姫』において以前読んでおります『ストロベリーシェイク』の後を継ぐ明るくおバカで愉快な連載作品でございましたよね…果たしてこれらの後を継ぐ様なおバカで愉快な作品は登場したりしますのかどうか…?
とっても大好きでご多忙が続いていらっしゃるご様子でお会いできない日々が続いてさみしく心配にもなりますけれども何事もなくご無事でいらっしゃいますことをお祈りしておりますあのかたもお好きなシリーズたち、『サモンナイト』は『4』のほうで引き続きのんびりレベル上げをしつつ、『その花』は『愛しさのフォトグラフ』の続きから…紗良さんが泊りがけのお仕事へ行かれてしまいさみしくなってしまう楓さん、からでございます。
帰ってきた紗良さんは二人分の装束を用意していてコスプレをすることに…この際に袴がスカート状になっている様にしか見えなかったのが少々不思議でございましたけれど、気にしないでおきましょうか…。
それから数日後にはご両親がお家を空けている際に猫耳パーティを行って…このコスプレの連続に楓さんは当初はどちらも乗り気ではなかったのでございますけれど、でもメイドさんのときはものすごく乗り気でございましたし、それにこの先のことを思うとやっぱりコスプレ好きの素質があるとしか思えなくて…?
アイキャッチをはさんだ先は、紗良さんがお仕事で失敗してしまって落ち込んでしまう、という少しシリアスなお話から…。
楓さんがその様な紗良さんを何とか元気付けて差し上げまして、その後お風呂で身体を重ね合わせるのでございますけれど、このときのBGMがなぜか普通のもの…いえ、そういうシーンはほぼ例外なくちょっと特殊なBGMに変化いたしますので、そこで普通の音楽でしたのはかえって違和感を覚えてしまうのでございました(何)
でもまだ不安そうな紗良さんに楓さんはお仕事場まで一緒についていってあげて、さらには将来は一緒に暮らして子供も一緒に育てましょう、とプロポーズをするのでございました…これに感激をした紗良さんはお仕事も見事にこなされます。
そして帰り道にはたまたま目にしたウェディングドレスをお二人一緒に試着をさせてもらいつつ、将来を誓い合うのでございました。
ということで、以前しておりますセカンドシリーズ第1作となる『愛しさのフォトグラフ』も無事にハッピーエンドを迎えることができました。
この作品では終盤で楓さんが完全なプロポーズを果たして将来を誓い合うところまでされたりと、お二人の関係がより深まりとてもよろしいもの…でも、楓さんについては校内では徐々に目立つ存在になってまいりましたものの立ち位置自体にはまだそれほどの波乱は生じておらず、この立ち位置が当初の彼女からは思いも寄らないことになってくるのはもっと先ということになるみたいでございます。
また、これまでの作品にはエンディングにボーカル曲はついておりませんでしたけれど、今作には以前CDも購入をしております『甘い花園』が流れましてそちらも嬉しいもの…ちなみに歌っていらっしゃるのは(2代め?)七海さんの中の人となるご様子でございます。
ともあれ、想いあうお二人がご一緒になられる過程を見るのももちろんよろしゅうございますけれど、ご一緒になられた後にその幸せをより深めていったりその幸せな日々をお送りするご様子を見るというのもとてもよろしいものでございます…次は麻衣さんと玲緒さんのセカンドシリーズとなりますけれど、引き続き楽しんでまいりましょう。
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