
□生徒会のヒメゴト(3)
■みなづき忍さま
○イラスト評価:★★★☆☆(3.0)
○内容評価:★★★★☆(4.0)
○百合度評価:★★★☆☆(3.4)
○総合評価:★★★★☆(3.5)
こちらは先日色々なものとともに購入をいたしましたものとなりまして、過去に既刊を読んでおりますことから購入をいたしましたものとなります。
コミックスとしましては『篠崎さん気をオタしかに!』や『部長に威厳はありません』『深海魚のアンコさん』と同じものとなります。
内容としましては、白百合高校という女子校らしい高校の生徒会の日常を描いた作品となります。
と、説明がやはり以前読みました第2巻の感想と同じとなりましたので、詳細な説明は省略をいたします。
この巻では皆さんの夏休みの風景から…よくも悪くも(?)相変わらずの皆さんの愉快な日常を楽しむことができます。
夏休みが終わりますと、2学期…学園もの恒例の一大イベント、学園祭のお話になってまいります。
学園祭の準備、それに当日の風景と、結構なボリュームで描かれてまいりまして、そして様々なかたがたの視点で描かれていきますから、なかなか満足…その過程で、ちょっと意外な一面を見せたりもする子もいたりいたしますけれど、それでより皆さんのことがよいキャラだと感じることができる様になっていきます。
学園祭も終わりますと、生徒会の任期の問題が浮上…そう、今の会長さんの麗夢さんが退任されるお話になってまいります。
麗夢さん自ら後任の会長さんを指名されたりするのでございますけれど、それに妹さんは少なからず不満を覚えたり…妹さんもやはりお姉さんのことを想っていることが読めたりいたします。
それに、受験などで少しずつ変わっていく皆さんの様子が見て取れて少し切なさも覚えますけれど、でも変わらないところは変わりませんのでそのあたりは安心…。
その様なこの作品、麗夢さんが退任されたところで完結、この巻で最終巻でございました…もちろん後日談も描かれますので安心でございます。
比較的多めの登場人物のいる作品なのでございますけれど、でもその個々のかたがたに焦点を当てたお話がきちんとあってその個々のキャラクターに愛着を持てる作品でございましたので、この巻で終わりなのはちょっとさみしいですけれど、きりがいいといえばそうなりますから仕方ないでしょうか。
やはり麗夢さんまわりの皆さんの関係が百合的に進展することはございませんでしたけれど、それはこの手の作品でございますからよしといたしましょう…それよりも、歩さんとかすみさんのお二人の関係がかなりよろしいものでございましたかと思いますかも?
個人的に特に好きなのはそのお二人と、後任の会長さんになりました由利さんでございましょうか。
イラストは悪くございません。
百合的には色々と感じられる作品でございまして、明確にその様な関係になるかたはおられませんけれど、でもそれもまたよろしゅうございましょう。
ということでこちらは登場人物もよい感じの楽しい作品でございまして、この巻で最終巻というのはさみしく感じるでしょうか…。
とっても大好きでお会いできない日が長く続いて不安や心配になってしまいますけれどもご無事な日々を送っていらっしゃいますことを願っておりますあのかたもお好きなシリーズたち、『サモンナイト』は『4』のほうの続きから…暴動を何とかするために農園へ向かおうとする皆さんでございますけれど、そのとき街中の広場のほうから衝撃音が聞こえてまいります。
広場ではレンドラー将軍やゲック教授、カサスさん率いる軍勢が抵抗しなければ何もしない、と言って町を封鎖しにかかっておりました…皆さんがやってくることも承知の上で足止めをしようというわけでございます。
ここでグランバルドさんと教授たちがお会いできることになるのでございますけれど、グランバルドさんはギアン氏に一度攻撃をしてしまっておりますので、教授たちがそうしたくてももう戻ることを許すことはできない模様…この際のやり取りは切ないものでございます…。
教授や将軍、カサスさんはエニシアさんの夢を叶えたい一心で皆さんの前に立ちふさがり、そしてどうしてその様な皆さんと戦わなければならないのかとミルリーフさんは泣いてしまわれますけれど、主人公のすみれさんが想いを貫くためにはこれを乗り越えなければならない…。
戦いのほう、相手が「姫君の忠臣」となっていたり教授や将軍にカサスさんのクラス名が亡国の騎士やら贖罪の召喚師に悲しみの獣戦士となっているところに切なさを覚えます…戦闘中の彼らの会話にも悲壮感が感じられ泣けてきてしまいます。
その様な今回のブレイブクリア条件はターン制限とともに軍団長、つまりそれら3人を必殺技で撃破、ということになっておりますので必殺技持ちのポムニットさんやユエルさん、ユヅキさんを向かわせる必要がございます。
…そういえば、ふと召喚辞典を見てみますと、この時点ですでに全ての召喚術を入手できていたみたいでございます。
戦い終わり、けれど将軍や教授たちは生命尽きそうになっても諦めない…。
それはもちろんエニシアさんの笑顔を守り、彼女の望みを叶えてあげたいという一心でございまして、それはミルリーフさんのことを想い生命を賭して戦う御使いと何ら変わらないものでございますので、御使いたちも彼らと戦うことはもうできなくなり、彼らを回復してあげます。
将軍はそれでもなお、ここで降ってしまっては祖国に代わって忠誠を誓ったエニシアさんに申し訳が立たないということで抵抗しようといたしますけれど、そこにエニシアさんが登場し何とか将軍の気を鎮めます。
そして将軍や教授たちに謝意を伝えたうえで、もう十分だとおっしゃり全て収まることに…ですので皆さんは農園へ向かうことにいたしますけれど、エニシアさんがギアン氏と向き合う心の準備もできているとおっしゃりついてきたいと言うので、一緒に向かうことになりました。
ここで一度自由行動が入りますので、その姫君の忠臣との戦いの再戦を行っておき、それから先へ進みます。
農園ではギアン氏とクラウレ氏が会話をしておりまして、クラウレ氏はギアン氏の本心を聞いた数少ない人物の模様…ギアン氏は所詮人間な教授や将軍、それに甘いカサスさんのことは信用しておらず、本当に信用できると思った3人にのみ本心を語っていたのでございます。
それがクラウレ氏とエニシアさん、そしてすみれさんなわけでございますけれど、結局すみれさんとは相容れないわけで…農園にやってきた皆さんを見て、エニシアさんも裏切るのかと懸念を示します(クラウレ氏はこの時点でギアン氏に絶対の忠誠を誓っていたのでございますけれど…?)
教授たちはギアン氏が本心を語ってくれればこの様なことにはならなかったと言いますけれど、壮絶な過去を持つギアン氏にそれをさせるのは酷だと、それを察せなかったのが教授たちの限界だとおっしゃるクラウレ氏…このあたりはどちらが間違っているという問題ではないでしょう。
一方、エニシアさんはギアン氏にもうこれ以上何かをするのはやめようとおっしゃります…母親に会えなくてもいい、自分は家族がほしかったけれどもうそれは叶っているとおっしゃられます。
私はすみれさん周りの皆さんが家族の様に見えて、つまりグラッドさんが兄でミントさんが姉、ルシアンさんが弟の様に感じているわけでございますけれど(リシェルさんとポムニットさんの立ち位置はちょっと難しい…)、同様にエニシアさんにとっては将軍が父で教授は先生であり祖父、ローレットさんたちは姉、カサスさんは兄という風に彼女は感じていたわけでございまして、このあたりの彼女の言葉は姫君の忠臣たちにとっては本当にもったいないほどの言葉でございましょうし、こちらも泣けてきてしまいます。
ギアン氏ももちろん家族の一員だとおっしゃるエニシアさんなのでございますけれど(立ち位置はやはり兄?)、それを聞いたギアン氏はちょっと精神的に壊れた様相を見せてしまい、自分の思惑通りに行かなかった全ての元凶をすみれさんだと見て、半狂乱のままにクラウレ氏に対してすみれさんの抹殺を命じます。
…ギアン氏は同じ無色の派閥のオルドレイク氏ほどの絶対悪なわけではないとは感じておりましたけれど、ここまでもろい人物だとは思っておりませんでしたのでかなり以外…立ち位置はオルドレイク氏なのかと思っておりましたけれど、これではむしろ以前しております無印のバノッサさんや以前しております『3』のイスラ氏あたりに近しい?(精神的に不安定、ということで…)
戦いのほうはクラウレ氏率いる暴徒たち…さらに魔獣化兵なる兵士もおり、こちらは先のギアン氏とクラウレ氏との会話で話題に上がっており、やはり教授の理論をもとに改造された兵士らしいです。
今回のブレイブクリア条件はすみれさんかアロエリさんでクラウレ氏の撃破、ということですみれさんは強制出撃になっておりますのでそのあたりは問題ないでしょう。
…この戦いの際のクラウレ氏の言葉からして、もう負けることを覚悟していたみたいです?
戦い終わり、クラウレ氏もついに膝をつきますけれど、彼は彼なりに夢を追い求めて進んだ結果でございますので、アロエリさんや他の御使いも理解を示し回復をしてあげたりいたします。
さらに暴徒たちも雲散霧消してしまい、残されたのはギアン氏のみ…暴徒が逃げ去ったことについて普通にショックを受けていたあたり、やはりギアン氏はあまり大物の…いえ、オルドレイク氏程度も風格は感じられませんかもしれません?(その傾向はセクター先生に背後を取られた際のリアクションですでに見られていたわけでございますけれど…)
教授たちがギアン氏を説得しようといたしますけれど、ギアン氏は逆に今まで人を頼ろうとしていたことが間違いだったと、一人で生きていけばよいという結論に達してしまい、エニシアさんを連れ去ろうとします…この際のエニシアさんの扱いが完全に物扱いだったのでございますけれど、これが彼の本心なのかどうか…?
でもギアン氏の目的、つまりラウスブルグの真の力を発動させ異世界へ移動するには妖精の末裔たるエニシアさんだけではなく竜の力も必要で、でもミルリーフさんは力を貸すつもりはもちろんございませんからギアン氏は諦めるしかない…と思われたのでございますけれど、ならば自分が竜になる、なんて言い出します。
どうも至竜というものは元から竜でなくってもそれに足る力があれば儀式を経てなることができる、というこれはちょっととんでもない設定…そういうことでギアン氏は自らが竜になると言い、エニシアさんを連れ去ってしまいました。
後を追おうにもラウスブルグへ行く手段はございませんし、連戦で皆さん疲れていることもあり、ひとまず休息を取ることに…このまま夜会話もなく第17話は終わりでございます。
…ちなみに、エニシアさんに忠誠を誓っていた教授や将軍たちはともかく、ギアン氏のほうへあれほどの忠誠を誓っていたクラウレ氏もこの時点でギアン氏の元から脱落、裏切り者呼ばわりされてしまいました…クラウレ氏、何だか『サモンナイト』全シリーズを通じて一番裏切り者という言葉の似合う人になってしまった印象…(何)
昨日はここまででございましたけれど、この展開…もう、明らかに終盤といえます。
無印のバノッサさんをあの様な最後の敵に変貌させたオルドレイク氏の様な存在が唐突に現れる、なんてこともさすがにないと思いたいですし、『3』の様にオルドレイク氏やイスラ氏といった最後の敵候補でした存在の裏にまだ何か別の存在がいそう、という気配もいまのところ見られませんし、このままいけば以前しております『2』の悪魔王メルギトスの様に順当な流れでギアン氏が最後の敵になる、ということになりそうな印象でございます(メルギトスが最後に機械魔になった様にこちらは竜になって、という展開になりそう…?)
ギアン氏が最後の敵になったとしましたら、ただの暴走した存在でした『3』の最後の敵は置いておいて、絶対悪のメルギトスほどの悪ではなく理解できる面もある、ある意味悲劇的な存在ということで、バノッサさんに近しいタイプになるのかもしれません…もっとも、バノッサさんは望まないかたちであの様な力を得たのに対し、ギアン氏は自ら望んで竜になるわけでございますけれども。
でもまだどうなるか解りませんし、これは引き続き見守っていくしかないでしょう。
一方の『その花』のほうは『あまとろちゅ』のセカンドシリーズの続き…デートの翌日、瑠奈さんはクラスの皆さんにその詳細を話すものですから貴子先生は恥ずかしくなったりして、思わず彼女を空き教室へ連れ出します。
そこで人前ではあまり自分たちの関係をひけらかしたりしない様に注意をするのでございますけれど、瑠奈さんはもちろん不満げ…。
さらに瑠奈さんは貴子先生を押し倒してしまうのでございますけれど、その際の瑠奈さんのご様子が少し余裕がないというか、貴子先生でも感じ取れるほど違和感があって…?
それから、瑠奈さんの学校での態度は自重するどころかさらに積極的になって、耐えかねた貴子先生がお昼休みに注意をしてしまいます。
すると、瑠奈さんは怒ってしまわれ今日は自分の家に帰るから、といって去ってしまいました…以降3日にわたって瑠奈さんは貴子先生の家にこなかっただけでなく、学校でも全く積極性をなくして大人しくなってしまったのでございました。
その様な瑠奈さんの様子を心配したクラスメイトたちが貴子先生に相談をしてまいりまして、放課後に瑠奈さんを残して話を聞くことに…。
瑠奈さんはどうやら貴子先生が自分のことを子ども扱いしている様に感じており、それを不満に感じていらしたご様子…また、瑠奈さんも自分が少しでも大人になれる様に色々頑張っていらしたりしたみたいです?
ともかく、貴子先生は瑠奈さんにその様なことはないと伝えて…?
その日からは瑠奈さんも貴子先生の部屋へ戻ってくださり一安心…もっとも朝は相変わらず弱くって、貴子先生は職員会議に遅刻することになったりしてしまいましたけれども。
その日のホームルーム前、瑠奈さんはクラスメイトから大人っぽくなれる秘訣をたずねられまして、そのおまじないとして皆さんの前で貴子先生とあつい口づけを交わされます…普段は抵抗する貴子先生なのですけれど、この日は瑠奈さんの背中へ手を回して自分からもされることになったりして…?
昨日はここまででございましたけれど、ひとまず波乱は過ぎ去ったという感じでございましょうか…もうすぐ終わりな雰囲気も見えてまいりましたけれど、最後まで見守ってまいりましょう。
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