
□花物語
■小沢真理さま/吉屋信子さま(原作)
○イラスト評価:★★★☆☆(2.8)
○内容評価:★★★★★(4.5)
○百合度評価:★★★☆☆(3.4)
○総合評価:★★★★☆(4.0)
こちらは過日色々なものとともに購入をいたしましたものとなりまして、気になる作品ということで購入をいたしましたものとなります。
コミックスとしましては他には持っていないもの…というより、特にレーベルはなさそうな雰囲気を感じます。
こちらは原作は小説であり、そのコミカライズ版ということになるでしょうか。
内容としましては、女の子たちのほのかな想いを描いた短編集、となるでしょうか。
いくつかの、お話の間に特につながりはない短編の収録されたこちらの作品、物語の舞台はいずれも大正時代の日本、となるでしょうか…いわゆる大正浪漫の時代でございます。
お話はいずれもその時代に生きる少女たちを主人公として、主に学校を舞台にした淡い恋やその一歩手前の気持ちを描いたものとなっております。
恋、といいましても想うお相手はいずれも女のかたでございまして、ですので百合なお話になるわけでございます。
と、自分で書いていて、この様な説明をする必要はあるのかな、なんて感じたりもしておりましたりして…?
いえ、こちらはタイトルや原作のかたのお名前で解るかと思われます様に、小説…しかもかなり有名な古典的名作をコミカライズした作品でございますから。
もちろん私も原作は持っておりまして読んでもおりますけれど、こうして改めてコミカライズ版を読んでみましてもやはりよろしいもの…概ね悲恋で終わるのでございますけれど、時代背景や淡く純粋なままで終わることを思えばそのほうが自然な展開ともいえます。
そしてやっぱり百合の王道なお話になっておりますよね、とも感じられ、原作の雰囲気をかなり守ってコミカライズ化していると、そしてやっぱり原作は偉大な作品だと感じることができるのでございました。
…でも個人的に一番好きなお話は、百合とは関係のない『三色菫』でございましたり…親子の絆に涙が抑えられません。
イラストは悪くございません…原作の雰囲気をよく出しているかと思います。
百合的には淡くもよろしいもの…今でも十分よいと感じられるものでございます。
ということで、こちらは古きよき、けれど現代でも十分以上に通用する百合な名作のコミカライズ版ということで、原作がよいということもございますながら、こちらも十分にそのよさが出ているものでございましたかと思いますし、原作を未読なかたはこちらでまず触れてみて、というのもいいかもしれません…その他、帯の折り目やお話の間になかなかよい小ネタ(?)がございましたりして…?
とっても大好きでお会いできない日々が長く続いてしまいましても陰ながら日々ご無事を願ってやみませんあのかたもお好きなシリーズたち、『サモンナイト』は『5』のほう、ルエリィさんのレベル上げ…こちらは昨日で彼女のレベルを他の皆さんと同等の56まで上げることができましたので、今日にも先へ進むことになりそうでございます。
その際にルエリィさんが新たなクラスを得ました…そちらは主人公のアルカさんやシーダさんもお持ちな物理攻撃特化タイプのものとなっております。
あと、ふと見てみますと、ルエリィさんと一緒にローテーションで戦っていただいた皆さん、経験値は同程度にしていたはずでございますのに、イェンファさんだけ妙に経験値が貯まっていることに気づき…。
この様な現象は以前にも見られまして何事かと思いましたら、イェンファさんは取得経験値が増すスキルを持っておりました…まさかその様なものがあるとは、経験値が個人単位ではなかった過去作では思いもよらないことでございました…。
一方の『その花』は『アトリエの恋人たち』の続き…その日も美夜さんを探す璃紗さん、クラスメイトのかたに冷やかされつつもいつものアトリエへ向かって美夜さんを見つけます。
先日は璃紗さんのお部屋でお説教をしようとして失敗いたしましたので今日こそは、と意気込む彼女でございましたけれど、美夜さんはお茶とお菓子でその様な彼女を懐柔しようとしてきます。
それには何とか耐えた璃紗さんでございましたけれど、口の達者さでは美夜さんに敵わず、結局丸め込まれてしまいました?
その様な中、そういえば美夜さんはどうやってこのアトリエを見つけたのか、ということが気になった璃紗さん、そのことについてたずねてみます。
美夜さんの話してくださったところによりますと、彼女がかつて璃紗さんのおせっかいから逃れているときに偶然ここを発見し、どうやら何十年も使われていない雰囲気があったためにそのまま自分が使うことにしたそうでございます。
さらに、美夜さんはアトリエの歴史まで話してくださいます…授業をサボったりされる美夜さんではございますけれど、興味の出たことにはかなり好奇心旺盛となる模様でございます?
それによると、ここは大正時代に美術の才能に優れた生徒のために作られた場所で、その生徒と恋人さんのお二人が一緒に過ごしていらした場所とのこと…それは伝説となって残り、その後美術部のカップルなど何組ものカップルが偶然などによって見つけ、ひそかに使ってきたといいます。
…大正時代の頃の、そして女学生同士の恋となるとちょうど上で読みました『花物語』が思い浮かぶところで、このタイミングでこのお話と上の作品を昨日同時に目にできましたのはよい偶然といえるでしょう。
璃紗さんはそういうお話は大好きでございますから、いつしか完全に聞き入っておりました。
さらに、アトリエにある私物っぽいものは確かに美夜さんが持ち込んだものもあるものの、大半は歴代カップルが持ち込んできたものというそう…。
その中に、美術部カップルから代々引き継がれている、愛の言葉などの書かれたノートが残っておりまして、璃紗さんと美夜さんもそこへ言葉を残そうといたします…けれど、タイミング悪くここで璃紗さんの携帯電話が鳴ってしまいます。
しかも相手は、この時点では非常に険悪な関係な母親から…出もせずに電話を切ってしまう璃紗さん、少し気分が悪くなってしまい、ノートへ言葉を書くのはまた今度、としてしまわれました。
電話のせいで一時気分が悪くなった璃紗さんではございましたけれど、気を遣ってくれた美夜さんが歴代カップルの話をしてくださり、そちらへまた引き込まれてしまいます。
その話の流れで璃紗さんと美夜さん、お互いの過去の話になっていきます…璃紗さんは真面目で努力家すぎるあまり、勉強などに集中しすぎて友達があまりいなかったといいます。
このときに唯一の例外は隣に住んでいた…という回想が入りまして、これはおそらく後の作品で出てまいります六夏さんのことを言っていると思われ、この時点で六夏さんを今後出そう、という設定ができていたことがうかがえます?
一方の美夜さんは天才過ぎるあまり幼少期から浮いてしまっていたらしいながら、今のこの学校、ミカ女は皆さんマイペースで過ごしやすく、また璃紗さんだけでなくベストカップルな皆さんにも出会えて楽しい、とおっしゃいます。
それを聞いた璃紗さんは嬉しくなるのでございますけれど、ただ美夜さんの他のかたがたとの繋がりは璃紗さんが思った以上に大きくなっていて、紗良さんから美夜さんへ送られたメールで璃紗さんは恥ずかしい思いをすることになり…?
その様なお話をしていると、昼休みを告げるチャイムが鳴ってしまい…璃紗さんは午前中の授業をサボってしまう結果になってしまいました。
今から教室へ戻るとクラスメイトたちが騒いでしまう、ということでお昼休みもアトリエで過ごすことにして、美夜さんからお弁当を分けていただくことになりました。
美夜さんはいつぞやの際に璃紗さんから分けてもらったおにぎりがきっかけでおにぎり好きになっていて、重箱5段に及ぶおにぎりを持ってきておりました…そのうち1段を璃紗さんに分けてくださいますけれど、もちろん璃紗さんは全ては食べられず、残りは全て美夜さんが食べることになりました。
その様なことをしていると午後の授業の時間になりますけれど、璃紗さんは美夜さんと離れがたくなってしまっていて…結局、午後の授業をサボって、熱い時間を過ごしてしまわれました。
その後は美夜さんに色々恥ずかしいことを言われたりもしてしまったのでございますけれど、それでもとっても幸せで、こういうのもたまにはいいかな…と思うのでございました。
昨日はそこまででございましたけれど、昨日はとある1日のできごとを描いたものでしたながら結構長めのものになっていたかと思われます?
そしてお話のほうも、タイトルである『アトリエの恋人たち』の由来について聞けましたり、後の『白雪の騎士』の六夏さんに繋がるお話が出てまいりましたりと、色々と興味深く面白いものでございました。
母親からの電話は、今回は大事にはなりませんでしたけれど、これは今作の主題の一つでございますからこれからといったところ…引き続き見守ってまいりましょう。
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