
□イノセントノイズ
■井村瑛さま
○イラスト評価:★★★☆☆(2.6)
○内容評価:★★★★★(4.5)
○百合度評価:★★★★☆(4.2)
○総合評価:★★★★☆(4.2)
こちらは先日色々なものとともに購入をいたしましたものとなりまして、百合が確実な作品ということで購入をいたしましたものとなります。
コミックスとしましてはおなじみとなっております百合姫コミックスとなります。
作者のかたは以前読みました『ツミキズム』などを描かれたかたとなります。
内容としましては5+αの短編を収録した短編集となります。
うち1つのお話は前後編となっておりますので、お話自体は全部で6+αということになるでしょうか。
短編でございますのでもちろんそれだけで完結の読み切り作品となっておりまして、またお話ごとの繋がりなども特になく、それにカップリングの傾向も様々なものとなっております。
ですので百合ということ以外に共通項はない…といいたいところではございますけれど、ちょっとつらかったり悲しかったりするお話がやや多めでした印象を受けましたかもしれません?(それでもバッドエンド、という様な作品はなかったかと…唯一のバッドエンドかと思われたあの作品も…)
収録作品、『音楽なんてどうでもいい』は大学の軽音サークルで知り合った先輩後輩のお話で、お付き合いをすることになった後輩さんは地味ながら音楽に才能を持った子でございましたから、その才能をつぶしたくない先輩さんは卒業時に彼女に別れを告げてそのまま自分のことを「なかったこと」にしてもらったのでございますけれど…こちらは結末がなかなかよろしい感じでこちらも少し涙を誘われました。
前後編のお話となっている『羊と氷菓』は高校生の女の子3人の三角関係を描いたもので、主人公の子が友情と相手の恋愛感情の狭間で思い悩むお話…こちらはそのお相手の子がいい子すぎまして、それにもうお一人も最後には背中を押してくださり、皆さんよいかたがたでございます。
『ナツヤスミ』はタイトルどおり夏休みに田舎へ戻ってきた女の子のお話なのでございますけれど、これは切ない…こういうお話は好きではございますけれど、とにかく切ない…。
『天使がいた日』は悲しい事件に巻き込まれてしまい、以後その後遺症の結果身を持ち崩してしまわれ、好きな子に合わせる顔のなくなってしまった子のお話…これはとにかく救いのない、幸せでした頃のお二人と結末が悲しすぎる、胸の痛くなるお話で、その意味で泣けてしまったのでございますけれど…?
『美しくなる日』は一緒に暮らしている二人の女のかたのお話で、この作品の中では一番百合的に高いお話…大切なかたの言葉が非常にあたたかくって、こちらはその気持ちに涙が出てしまいます。
その他、巻末には描きおろしといたしまして『音楽なんてどうでもいい side:るり子』が収録されておりまして、こちらはタイトルどおり『音楽なんてどうでもいい』の後輩さんサイドのお話となっております。
あと、あとがきの端にバッドエンドが悲しすぎるかたはカバーをめくってみるといいかもしれません、なんて書かれておりまして、何事かと思いましたら…あの救いのないお話に救いがあって、これでまた泣けてしまいまして、たった2ページのことでございますのに本当によろしゅうございました…。
…そういえば、この手の短編集にしては珍しく、単行本と同じタイトルの短編は存在いたしません。
イラストは普通でございますけれど、個人的には好き…(ならもっと上げればいいのに…/何)
百合的にはどのお話もなかなかよろしかったかと思います。
ということで、こちらの短編集は妙に色々と泣かされてしまいましたけれど、つまりはそれだけよいものでした、ということになるでしょうか。
ゲームのほう、昨日は『FLOWERS』もとっても大好きで長くお会いできない状態が続きましても陰ながらご無事でいらしてくださいますことを日々お祈りしておりますあのかたもお好きなシリーズな『その花』もお休み…。
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