
□FLOWERS -Le volume sur printemps-
○イラスト評価:★★★★★(5.0)
○グラフィック評価:★★★☆☆(3.5)
○システム評価:★★★☆☆(3.3)
○内容評価:★★★★★(4.5)
○音楽評価:★★★★★(4.5)
○声優評価:★★★★★(4.5)
○難易度:★★★☆☆(2.8)
○百合度評価:★★★★★(4.5)
○付加要素(おまけなど):★★★★☆(3.6)
○総合評価:★★★★★(4.5)
こちらは過日届きましたもので、百合な作品ということで購入をいたしましたものとなります。
こちらはPCなゲームとなりまして、年齢制限などは特にございません…PCゲームにしては珍しく、パッケージサイズが普通のCDなものになっております。
内容としましては、全寮制の女子校で起こる春の出来事を描いた作品、となるでしょうか。
ゲームのジャンルといたしましてはこちらの公式サイトに「百合系ミステリィADV」と書かれております様に百合が結構メインにきている作品…百合メインの作品、年齢制限ありでございましたら以前青文字系の新作をしております『その花』シリーズが真っ先に思い浮かんで他にも以前しております『百合霊さん』など少なからずございますけれど、年齢制限なしの作品となると以前廉価版をしております『アオイシロ』に以前完全版をしております『ソルフェージュ』、そして以前完全版をしております『白恋』に続く存在、といえるのではないでしょうか。
アドベンチャー、ということで基本的には慣れ親しんだ物語を読み進めていく形式のオーソドックスなものとなりますけれど、ミステリィと書かれております様にときどき謎解き要素も加わってまいります。
謎解き要素は推理パートで選択肢を選ぶものでございまして、その他もルート確定のために結構たくさんの選択肢が出てまいります…『アオイシロ』ほど複雑なルート分岐をするわけではございませんけれど、体感的な難易度は『白恋』くらいはあるかもしれません?
お話の舞台は現代日本、聖アングレカム学院という人里離れた山の中にある様子な全寮制のミッションスクールでございます。
この学校にはアミティエ制度なる、3人の生徒を1組にして擬似的に友人に見立て人間関係を育むというアミティエ制度なる特殊な制度を導入しておりまして、主人公さんはその制度に惹かれて…今までの自分を変えたくてこの学校へ入りました。
その主人公さんは白羽蘇芳という長身でスタイルもよく長い黒髪のかた…実際周囲からはクールで大人な雰囲気の美人さんと思われておりますけれど、内面は過去の経験もありかなりの人見知りでしたり対人恐怖症でしたり、恥ずかしがりやさんでしたりいたします。
蘇芳さんは家庭環境のせいもあったのでしょうけれど、読書や映画鑑賞が大好きで、そちらに関しての知識はかなりのもの…この知識を生かして時には謎解きをしていくことになります。
蘇芳さんは学校へ入学する際に、二人の少女と運命的な出会いを果たし、そしてそのお二人とアミティエにまでなってともにすごしていくことになります。
つまりそのお二人がこの作品のメインヒロインとなりまして、ルートもそのお二人のものしかございません。
お一人は匂坂マユリさんというちょっと中性的な容姿をされて明るく人を寄せ付ける雰囲気を持ったかたで、蘇芳さんもその様な彼女に憧れの気持ちを抱きます…お菓子作りが趣味と一面も持ったりしております。
もうお一人は花菱立花さんという眼鏡をかけていかにも委員長さんな雰囲気をされた、そして実際委員長になったりする真面目な女の子…こちらは紅茶にはうるさく、放課後にはよく皆さんを集めてお茶会を開くことになります。
その他登場人物といたしましては、まずは同じクラスになった沙沙貴苺さんと林檎さんという双子の姉妹でございまして、姉の苺さんは活発な、妹の林檎さんは何だか『百合霊さん』の音七さんを想い浮かべる、どちらもかわいい子ながらかなりのトラブルメイカーになっております。
生徒会に相当するニカイアの会の会長さん、八代譲葉さんは長身に銀髪が目立つかなりきれいな人で、そしてかなり面白い性格をされたかた…蘇芳さんのことを特に目にかけている印象を受けますけれど、個人的にはこのかたが一番キャラクターとして好きかなと思います?
副会長さんの小御門ネリネさんはふんわりとした金髪をされおっとりした美少女さんでございますけれど、その様な雰囲気に似合わず食べ歩きが趣味らしい…譲葉さんとは幼馴染なご様子でございます。
蘇芳さんの書痴仲間となる八重垣えりかさんは車椅子に乗った、何だか色々と今現在は中断をしております『サモンナイト5』のシーダさんに印象が重なるかた…こちらもなかなかに面白い性格をされております。
皆さんのクラスの担任であるダリア=バスキア教諭は教師というよりも聖職者という趣…というか実際にそうなわけでございますけれど、ちょっと底知れないものを感じるかもしれず、蘇芳さんは彼女を苦手としている模様…。
お話は、蘇芳さんとマユリさん、立花さんの関係をメインに4月から6月、つまりサブタイトルどおりに春を描いていきます。
物語としましては本当にかなり王道路線な学園ものの百合物語になっておりまして、百合好きさんでしたら楽しめるのは間違いないかなと感じます…そこに3人それぞれが抱えている問題や悩みなどが重なってまいりますけれど、そこは物語を見ていただいて…?
ただし、ルートについて、バッドエンドは置いておきましても立花さんルートは物語のボリュームが短くなったりエンドクレジットが流れなかったりと少しおまけな扱いの雰囲気を受けるうえに、メインと思われるマユリさんルートの結末がバッドエンドといって差し支えのない終わりかたしかいたしませんので、少々後味が悪い…あれは普通にバッドエンドだとしか思えない…。
…っと、マユリさんルートはそうなのでございますけれど、立花さんルートのほうはハッピーエンドといって問題のない終わりかたになっております。
ルート分岐について、この作品にはメッセージウィンドウ右上に百合ゲージなる百合の花を模したゲージがございまして、選択肢を選択した際にこのゲージが緑か黄色に光ります。
この色が緑でしたらマユリさんルート、黄色でしたら立花さんルートへ進むっぽいので目安にできますけれど、この際にマユリさんルートなら全て緑、立花さんルートでしたら全て黄色、という様に間違いは全く許されない雰囲気が見られますかも…?
選択肢によって物語の展開も少々変わりますけれど、立花さんルートへ進もうとしているのにマユリさんメインのイベントが起きたり、その逆のこともあったりと、そのあたりはやや不思議…。
また、百合ゲージはマユリさんルートへ進めば花が咲いていきますけれど、立花さんルートへ進もうとするとどんどんしぼんていってしまったり、このあたりやっぱり立花さんルートはおまけに感じられます?
ミステリィ要素について…皆さんの日常の中で、時々重大な問題が発生いたしまして、蘇芳さんがそれを解決しなければならなくなることがございます。
と、重大な問題といいましても、あくまで皆さんの日常が壊れない範囲において、でございますので別に以前しております『アグリーメント』の様に世界観が一変する事象が起こるとか、そういうことはございません。
謎解きは推理パートが発動してそこで行うのでございますけれど、はじめの推理パートはそこまでの流れをしっかり見ていても解るわけがない気がする、というほどの難しいもの…間違えるとバッドエンド行きになりますけれど、ここはそうなっても仕方のない気がいたします?
ただ、2回め以降の推理パートは、そこまでの物語の流れをしっかり見ていたり、ある程度の知識があれば間違えずに行くことも難しくなく、実際私は無事に終えられました…基本としては、この作品において悪人は存在しない、ということを念頭に置いておけばよろしいでしょう。
その様な感じで、先日までにマユリさん、立花さん両ルートを見終えておりましたので、昨日は最後の仕上げということでやり残したことをいくつかしておきました。
まずは、ギャラリーモードで開示されなかった4コマページを開く条件と思われる、全エンディングを見る、ということをすべく、思いつく限りのバッドエンドを見ることに…ただ、個人的にはあまり鬱な気持ちになりたくございませんでしたので、バッドエンドは全て未読スキップも可能にした上でジャンプしてしまいました。
エンディングリストが埋まると4コマも見られる様になりましたので、そちらを読んで見ますことに…立花さんがなかなか大変なことになっていたご様子で?
そしてもう1つ、この作品は初回限定版ということでドラマCD『乙女たちの休日』がついてきておりましたので、そちらを聴いてみました。
こちらは約50分の収録時間に2つのお話が収録されており、まず1つめは朝食当番になった3人が色々トラブルに見舞われながらも何とかそれを作り上げる、というものでございます。
もう1つは本編の七不思議なお話の少し後のこと、3人で怖い話をすることになるお話(このドラマCDはマユリさんや林檎さんと怖い話をした、というのが正史になっている模様…)…こちらは蘇芳さんが祖父の体験談を話されます。
登場人物は蘇芳さんとマユリさんと立花さんの3人だけとなりますけれど、ゲームをした後で聴けば楽しめるよきものでございましたかと思います。
イラストはかなりよきものなのではないでしょうか…『ソルフェージュ』並、とまではいいませんけれども十分すぎるきれいさでございます。
グラフィックも作品の雰囲気のよく出たものとなっております。
システム面も既読ジャンプもあり特に問題はなく良好といえるでしょう。
内容については、メインルートがバッドエンドになっていたのがやっぱり残念なのでございますけれど、そこを除けばよい作品でございました…ハッピーエンドにしてくださっていれば5.0にしていたかもしれないのですけれど、そこは好みの問題となるでしょうか。
音楽のほうもよきもの…主題歌は霜月はるかさまが歌っておられました(サントラも出ているのでございますか…『アグリーメント』サントラは手遅れに終わりましたけれど、こちらはまだ買える、のでございます?)
声優さまももちろん何の問題もなく、皆さんキャラクターに合った声になっております。
難易度について、百合ゲージの光の意味にはやいうちに気づけば自ずと難易度は下がると思われ…謎解き要素ははじめが一番難しくって、その後は進むごとに簡単になっていく印象を受けますのではじめさえ何とかなれば、というところでございましょうか。
百合的にはかなり高めな、百合メインの作品となっておりまして、しかもかなり王道路線な作品となっております。
おまけとしましてはドラマCDもついてまいりましたし、ギャラリーのほうも4コマなんてものまでございましたので十分でございます。
ということで、個人的にはマユリさんルートがバッドエンドなものになっていたのが残念ではございましたけれど、それを差し引いても十分な良作、といえるでしょう…サブタイトルに春、とついておりますし今後夏以降の物語も期待できるのかもですけれど、でも主人公を蘇芳さんのままにして物語が成立するのか、という不安もあり難しいところ…?
上で触れました年齢制限なしな百合メイン作品、『アオイシロ』にしても『ソルフェージュ』『白恋』にしてもその後さらに追加要素のついた作品が最低1つは出ておりますので、やはりこちらも夏以降のお話など、何らかの続編などが出てくださることに期待したい…?
今後のゲームについて、残された予約済み百合ゲームな『クオリア』は7月25日発売予定とまだ間がございます…他に百合ゲームが出るという話は把握しておりませんので、それを待つことになるでしょうか。
それまではこれまでどおり、とっても大好きで長くお会いできなくってさみしく心配や不安にもなりますけれども日々陰ながらご無事をお祈りしておりますあのかたもお好きなシリーズな『その花』のリプレイを進めていくことになるでしょうか。
『サモンナイト5』の再開も検討してはおりますけれど、ゲームを2作品同時に進めるのは最近少し疲れてきておりますので、気が向いたら…ということになるでしょうか。
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